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  1. 茨城県議会 2017-06-12
    平成29年第2回定例会(第3号) 本文 開催日: 2017-06-12


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     平成29年第2回                 茨城県議会定例会会議録  第3号          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 平成29年6月12日(月曜日)午後1時1分開議          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◯藤島正孝議長 これより本日の会議を開き,直ちに議事日程に入ります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第1 第82号議案=ないし=第92号議案,諮問第1号及び報告第2号 2 ◯藤島正孝議長 日程第1,第82号議案ないし第92号議案,諮問第1号及び報告第2号を一括して議題といたします。          ────────────────────────────── 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑 3 ◯藤島正孝議長 これより,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を許します。  なお,傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので,御留意願います。  高崎進議員。                  〔22番高崎進議員登壇,拍手〕 4 ◯22番高崎進議員 公明党の高崎進です。  通告に従い,知事並びに教育長,関係部長に御質問させていただきますので,明快なる答弁をよろしくお願い申し上げます。  初めに,新たな結婚支援優待制度の実施について知事に伺います。  国のデータによりますと,平成28年の婚姻組数は62万523組で,前年の63万5,156組より1万4,633組減少しております。また,平成8年の平均初婚年齢が,夫28.5歳,妻26.4歳に対し,平成28年は,夫は31.1歳,妻は29.4歳と,この20年間で男女とも約3歳上がりました。さらに,第一子出生時の母親の平均年齢は30.7歳,20年前が27.6歳だったのに対し,こちらも上がり続けております。
     本県においては,平成28年の婚姻組数は1万3,201組で,前年の1万3,498組より297組減少しております。また,平成8年の平均初婚年齢が,夫28.4歳,妻26.2歳に対し,平成28年は,夫は31.1歳,妻は29.1歳と,この20年間で男女とも約3歳上がっております。  こうした結婚を取り巻く現状を示す指標を踏まえますと,将来の人口減少社会に対応するため,県として結婚支援に取り組むことは重要な県政課題の一つであります。  このため,本県では,いばらき出会いサポートセンターにおける会員登録制によるパートナー探しの支援を初め,結婚から妊娠・出産,育児までのライフステージに応じた相談体制の充実や情報の提供など,一貫した切れ目のない支援を行っております。  その一方で,平成26年度の県政世論調査の結果によりますと,結婚しない理由として,経済力がないからを挙げた方が,出会いの場がない,希望を満たす相手がいないなどに次いで4番目に多い結果が出ており,経済的支援を望む声が多いところでもあります。  こうした中,私は,先日,群馬県を訪問し,結婚支援の取り組みについて調査を行ってまいりました。群馬県では,結婚支援の一環として,ぐんま結婚応援パスポート事業を実施しております。これは,本県で既に行われている子育て家庭優待制度いばらきkids clubカードや,高齢者優待制度いばらきシニアカードと同様に,協賛店舗等において料金割引などの優待サービスを受けられる制度であります。  ぐんま結婚応援パスポートの協賛店舗は,ブライダル関係や不動産業者など,新生活にかかわる約470店舗が登録をしております。経済的に新婚さんを後押しし,少子化対策に貢献できればと,企業の反響も多いと伺いました。  また,制度の対象は,新婚夫婦またはこれから結婚を予定しているカップルであり,婚姻届出提出日または交付日から1年間,最長で2年間の有効期限となっています。  こうした取り組みは,社会全体で県民の結婚を応援する機運醸成を図るのみならず,事業に協賛し,特典を提供していただく地域の店舗や施設の利用が促進されることで,県内経済の活性化にもつながるものと考えております。  そこで,本県においても,いばらきkids clubカードや,いばらきシニアカードに続く結婚を支援する優待制度を実施すべきであると考えますが,御所見を伺います。  次に,若者の学びなおしと自立支援について,知事に伺います。  社会生活を円滑に営む上での困難を有する若者,いわゆるニートやひきこもりなど,困難を抱える若者の問題は深刻化しており,支援の充実が求められております。  国の推計によりますと,昨年,ニートは全国で56万人,ひきこもりは54万1,000人に上るとの結果が出ております。また,ひきこもりについては,昨年度,本県では初めて実態調査が行われたところであり,その結果,県内には3,000人のひきこもりがいるとの推計が出ています。  私は,こうした問題に関して,平成21年第1回定例会でも取り上げております。  その際,私は,高知県を訪問し,学校を卒業または中退して,就学や就職をしていない子どもたちがニートやひきこもりにならないよう,教育委員会が中心となって関係機関相互が連携し,学校教育から切れ目のない支援を行う取り組みを橋本知事に御紹介をいたしました。  今回の質問に当たって,先月,8年ぶりに高知県を訪問し,話を伺ってまいりました。前回の訪問後,高知県では,平成22年度から,子どもたちに対して早期支援を図るため,学校在籍時の各個人の情報を関係機関へつなげる「若者はばたけネット」という情報提供の仕組みを構築しております。  この「若者はばたけネット」では,学校卒業時・中退時の進路未定者に関する個人情報について,各学校や市町村を経由して高知県教育委員会が一元化し,若者サポートステーションを初めとする支援団体などに情報を提供し,支援につなげることとしております。  なお,こうした個人情報の収集と提供に関しては,個人情報保護例外的取り扱いとして,本人や保護者の同意を不要としております。  こうした取り組みの結果,中には復学する方,学びなおしをする方も出てきていると伺ったところであります。  私は,若者の自立支援に当たっては,情報の共有とニートやひきこもりになる前の入り口対策が重要であると考えます。また,学びなおしのためにも,学校機関からの情報を切れ目なくつなげていくことが必要であります。  翻って,本県では,こうした若者に対して,効果的かつ円滑な支援を実施するため,平成27年12月に法律に基づく茨城県子ども・若者支援地域協議会を設置しております。  こうした関係機関相互のネットワークももちろん大事でありますが,今後は,こうした地域協議会を十分に活用しつつ,高知県での取り組みを参考に,情報の共有と入り口対策をポイントとする若者支援にも取り組むべきと考えますが,御所見を伺います。  次に,アレルギー疾患対策について,保健福祉部長に伺います。  アレルギー疾患は,花粉症やアトピー性皮膚炎食物アレルギーなどに代表され,アレルゲンに起因する免疫反応により,人体に有害な局所的または全身的反応に係る疾患であります。  平成25年第1回定例会では,その前年に調布市で起きた,学校給食における食物アレルギーによる児童の死亡事故を踏まえて,その対策について一般質問で取り上げたところでもあります。その後も,アレルギー疾患を有する方は急速に増加をしており,現在では,乳幼児から高齢者まで,国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患を有していると言われております。  このため,国では,アレルギー疾患対策基本法を踏まえて,本年3月にアレルギー疾患対策の基本指針が策定されました。指針では大きく5つの事項が示されており,今後は,対策の総合的な推進を図ることとしていますが,この中でも,アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項では,地域の拠点となる医療機関の整備についても言及しております。  今後,国の動向を踏まえ,本県でも,アレルギー疾患対策の拠点となる医療機関の整備に向けた取り組みを望むものであります。  また,こうしたハード的な疾患対策を進める一方で,アレルギー疾患に関する啓発や知識の普及など,県民が知りたい情報を発信していくソフト的な対策を進めていくことも大変重要であると考えます。  東京都では,アレルギー疾患に関する総合的な情報を提供するサイト「東京都アレルギー情報navi.」を本年4月に開設をいたしました。同サイトは,専門医などが監修し,疾患別・目的別に情報を検索でき,疾患に関する基礎知識のほか,自己管理方法や緊急時対応マニュアル医療機関情報などがわかりやすく掲載をされております。ネットを活用することで,多くの方々がアレルギー疾患に関する情報に接することが可能となります。  そこで,こうした情報提供の整備を含め,今後,アレルギー疾患対策にどのように取り組んでいくのか,御見解を伺います。  次に,広域災害救急医療情報システム(EMIS)について保健福祉部長に伺います。  広域災害救急医療情報システム(EMIS)は,1995年の阪神・淡路大震災を教訓に,インターネットを活用して構築された災害時の医療情報を集約するシステムであります。災害発生時に,被災した医療機関が被災状況や受け入れ患者数等を入力することにより,情報を収集・共有化できるとともに,災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣要請や活動状況などについても一元的な管理が可能となっております。  本県では,現在,182の医療機関がEMISに加入と伺っております。東日本大震災当時が102の医療機関にとどまっていたことを考えますと,着実に広がりを見せております。  一方で,災害時にEMISを有効に機能させるためには,システムに加入するだけでは不十分であり,医療機関が操作方法を熟知し,確実に正しい情報を入力してもらう必要があります。  しかし,昨年4月に発生した熊本地震では,加入していても,使い方を知らないばかりか,情報を入力する認識すらなかった病院もあったと聞いており,その結果,情報伝達や対応がおくれたケースも発生いたしました。  こうした教訓を踏まえ,本県としても,加入している病院に対して,EMISの啓蒙活動や操作方法等のマニュアルを整備するなど,管理運用体制の整備を働きかけていく必要があります。  また,災害時に電源が利用できるとは限りません。医療機関の電源が喪失すると,EMISの利用はできなくなることから,電源喪失を想定した利用訓練も必要ではないでしょうか。加えて,衛星通信回線機能の導入も検討していく必要もあります。災害時には正確な情報が最も重要であり,そのためにも,EMISを宝の持ち腐れにすることがあってはならないと考えております。  そこで,今後起こり得る万が一の災害時に,広域災害救急医療情報システム(EMIS)を有効に機能させるため,適切な管理運用にどのように取り組んでいくのか,御見解を伺います。  次に,犬猫殺処分ゼロに向けた取り組みについて,保健福祉部長に伺います。  平成28年度における犬猫の殺処分頭数は,犬猫ともに譲渡実績がふえたことに伴い,前年度に比べて,犬が667頭減少し,612頭に,猫は654頭減少し,1,679頭となっております。犬猫合計の殺処分頭数は2,291頭で,前年度に比べて1,321頭減少し,前年度比63.4%と3分の2以下になっております。関係者の皆様の御協力により,本県における犬猫殺処分の状況は改善傾向にあるものの,いまだ処分数が多い状況にあります。  犬猫の殺処分ゼロを目指すためには,いわゆる入り口対策と出口対策の両方を充実させる必要があります。  県では,出口対策として,民間団体等動物指導センターから犬猫を譲り受け,新たな飼い主を探すまでに要する飼育管理費の一部を補助することとしたほか,動物指導センターから一般県民や団体へ犬猫を譲渡する際,希望に応じて不妊去勢手術を実施することとしています。  また,一層の強化が望まれるのは入り口対策であります。県民意識の機運啓発や地域猫活動の充実など,そもそも動物指導センターに保護される犬猫の数を少なくすることが必要であります。  県議会では,昨年12月,議員提案により,犬猫殺処分ゼロを目指す条例を全会一致で可決をいたしました。また,平成29年度当初予算については,出口対策の一つである譲渡を進める団体への補助事業として,3,000万円を増額修正しております。  知事を初め執行部の皆様方においても,こうした県議会の議員提案条例や予算の増額修正の趣旨を十分に踏まえて,一日も早く事業を開始し,殺処分ゼロに向けて積極的な取り組みを行うべきであります。  こうした点を踏まえ,今後,犬猫殺処分ゼロに向けてどのように取り組んでいかれるのか,御見解を伺います。  次に,文化芸術の振興について,生活環境部長に伺います。  文化芸術の振興については,これまでも代表・一般質問で,文化振興の条例制定など,たびたび取り上げている項目であります。  本県では,より一層の文化振興を図ることを目指して,平成27年12月に,文化芸術振興の基本理念である茨城県文化振興条例が制定されました。また,本年3月には,この条例に基づき,文化振興施策を総合的かつ計画的に推進するために,茨城県文化振興計画が策定され,「県民一人ひとりが主役 文化が創る・つなぐ『人と地域が輝くいばらき』」を基本目標として,人材の育成等,文化の振興など6つの基本的施策の柱を制定し,各種施策を展開し始めたところであります。  県では,これまでに,国民文化祭常陸国風土記1300年記念事業,全国高等学校総合文化祭を開催するとともに,昨年度は,県北芸術祭,エンジン01文化戦略会議が行われました。こうした本県の文化の魅力を国内外に発信し,誘客促進を図る大規模な文化的イベントの開催は大変重要であると認識をしております。  しかし,一方で,これまで本県の文化振興を支えてきた歴史と伝統のある文化団体を取り巻く現状は,少子化による後継者や会員などの人材不足,そして,それに伴う会費等の財源不足,さらには,発表の場の確保の困難化など,数多くの課題に直面をしております。事実,平成28年度の県内における文化団体数は2,801団体,平成10年度の7,068団体と比べて4,267団体の減と,6割も減少しております。  私は,県民が,茨城県文化振興条例にある「心の豊かさを享受し,潤いに満ちた生活を実現するため」には,こうした文化団体にも光が当たるような取り組みを行うべきであり,そのためにも,茨城県文化振興基金を積極的に活用すべきであると考えております。  そこで,以上の点を踏まえて,今後,本県の文化芸術の振興にどのように取り組んでいくのか,御見解を伺います。  次に,明治維新から150年を契機とした誘客促進について,商工労働観光部長に伺います。  本年は,江戸幕府が政権を朝廷に返上した大政奉還から150年,来年の平成30年は明治維新から150年の節目の年になります。そうした幕末期において,明治維新を先導したのが我が水戸藩であります。また,水戸藩の藩校として創設された弘道館を初め,県内には数多くの幕末期に関する歴史的資源が点在しております。  私は,先日,高知県庁を訪れ,本年3月から開幕した志国高知幕末維新博の事業内容について調査をしてまいりました。高知県といえば,幕末から明治維新にかけて,坂本龍馬を初め,数多くの偉人たちを輩出した土地であります。  高知県が開催している志国高知幕末維新博は,当時に思いをはせ,彼らを育んだ土佐の風土や文化,食,自然など,県内外を問わず広く知っていただくことを目的として,平成30年度まで開催するものであります。  また,開催中は,坂本龍馬記念館などをメーン会場に,書状や美術品などを展示するとともに,高知県内に数多く残る名所旧跡や歴史文化施設など20もの地域会場を設定し,会場間の相互連携・誘客を図り,周遊コースづくりにも取り組もうとしております。  私は,こうした歴史的な節目を大切にした取り組みは,本県においても誘客促進を図るために有効であると考えます。  折しも,昨年11月には,国においても,明治150年をきっかけとして,明治以降の歩みを次世代に残すことや,歴史を再認識することは大変重要であるとし,明治150年に向けた関連施策を推進するとしております。  そこで,来年,平成30年が明治維新から150年の節目の年であることを踏まえ,今後,本県の歴史的資源を活用して,誘客を促進すべきであると考えますが,御見解を伺います。  次に,新たな住宅セーフティネット制度の推進について,土木部長に伺います。  本年2月,国では,新たな住宅セーフティネット制度が閣議決定され,本年秋からの制度実施が予定されております。この制度は,民間の空き家・空き部屋を活用して,高齢者,低額所得者,子育て世帯及び障害者など,住宅の確保に特に配慮を要する方々に対して住宅のセーフティネットを強化するものであります。  具体的には,賃貸住宅を都道府県などに登録する制度を創設するとともに,登録住宅の改修費補助や入居への負担軽減支援居住支援協議会による相談援助等を行うこととしており,我が公明党が推進してきた制度でもあります。  高齢者からは,保証人がいないので賃貸住宅は借りられないとの相談を受けることが多くあります。新たな住宅セーフティネット制度は,要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録されるとともに,家賃の債務保証もあることから,制度の実施に大いに期待しているところであります。  私は,こうした制度を円滑に実施していくためには,本県でも既に設置されている居住支援協議会を通じて,行政における福祉部門と住宅部門との連携や,宅建業界を初めとした民間の関係団体との連携が不可欠であると考えます。  また,新制度は空き家対策にも非常に有効であります。本県の空き家の状況は,平成25年の総務省の調査によりますと,住宅総数の約14.6%を占める18万4,700戸,そのうち賃貸用の住宅の空き家は10万4,100戸にも上っており,こうした空き家を有効に活用していくことが可能となります。  さらに,これまで行政が低所得者向けに提供してきた公営住宅に加え,新制度を通じて民間の力を活用し,低廉かつ障害や年齢などに対応した民間住宅を供給できるようになることから,新制度を踏まえた県の公営住宅政策の検討も必要ではないでしょうか。  そこで,こうした点を踏まえ,新たな住宅セーフティネット制度の実施について,県としてどのように取り組んでいくのか,御見解を伺います。  次に,道路地下の空洞化対策について,土木部長に伺います。  昨年11月に,福岡市の博多駅前において,地下鉄の延伸工事における採掘中に岩盤が落下し,発生した道路陥没事故は記憶に新しいところであります。  関係機関の連携・協力のもと,24時間フル稼働での対応により,事故発生から1週間後には道路の仮復旧まで至りましたが,この事故により,道路は,当然のこと,上下水道や電気,ガス,通信機能はストップし,周囲のビルにも避難勧告が発令されるなど,九州の玄関口は大きな混乱に見舞われました。  本県では,幸いにも,事故を引き起こすような大規模な陥没事故は発生していないものの,県管理道路において,小規模な陥没が平成28年度は21件発生しております。本県は,その平たんな土地柄のため,北海道に次いで全国第2位となる約5万6,000キロメートルもの道路実延長を有しております。言うまでもなく,道路は私たちの社会生活の基盤を支える重要なインフラであります。  また,そうした道路地下には,電気,ガス,上下水道など,いわゆるライフラインが数多く埋設されており,道路表面のみならず,その地下についても十分に管理し,陥没事故が発生しないよう,空洞化対策を推進していく必要があると考えます。  中でも,特に,大規模災害が発生した場合,避難や救助を初め,物資供給等の活動を行うために,緊急車両の通行を確保する緊急輸送道路については,万が一のときに当該道路が通行できない事態に陥らないよう,速やかに道路地下の調査等を行い,空洞化対策に取り組むべきであります。  現在,県内には約2,500キロメートルの道路が緊急輸送道路として位置づけられておりますが,このうち県管理道路は約1,800キロメートルで,約7割を占めております。まずは,優先順位をつけ,計画的に調査等を実施すべきと考えます。  そこで,これまで道路地下の空洞化対策にどのように取り組んできたのか,また,今後,特に緊急輸送道路について,道路地下の空洞化対策に取り組むべきであると考えますが,あわせて御見解を伺います。  最後に,特別支援教育について,教育長に伺います。  平成19年4月,それまでの特殊教育から特別支援教育がスタートをいたしました。特殊教育が,障害の種類や程度などに応じて特別な場で指導を行う教育であったのに対し,特別支援教育は,特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育支援を行うものであります。  特別支援教育がスタートする直前の平成19年第1回定例会において,今後,特別支援教育をスムーズに運用し,成功させるための取り組みについて一般質問を行いました。  当時の教育長から,「今後は,特別支援学校の地域のセンター的機能を生かし,教育相談を充実させるとともに,情報交換等を行う連携協議会を開催し,関係機関との連携強化を図っていく」との答弁がありました。  質問から10年余りが経過いたしましたが,現在,特別な教育的支援を必要とする児童生徒は年々増加をしております。事実,本県の特別支援学校に在籍する小中学部の児童生徒数は,平成19年度に比べて545人,約29%増加するとともに,小中学校の特別支援学級にいる児童生徒は,平成19年度と比べて約2倍,通級指導教室の児童生徒は約2.3倍まで増加をしております。  こうした現状を踏まえ,私は,児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育を提供していくためには,高い専門性を有している特別支援学校が中心となって,地域の小中学校をより積極的に支援していくことが重要であると考えます。  学校教育法第74条でも,特別支援学校は,小中学校などの要請に応じて,児童生徒の教育に関し必要な助言または援助を行うことが規定されており,特別支援学校センター的機能の強化に取り組むことが求められております。  しかし,全国の特別支援学校を対象に国が行った調査結果によりますと,その実施に向けた課題として,特別支援学校及び小中学校等の両面における諸課題が出されております。  特別支援学校では,特に,多様な障害に対応する教育の専門性の確保や,地域の相談ニーズへ応えるための人材の校内での確保などが課題であります。  一方で,小中学校等では,特に,全教員の特別支援教育の重要性についての理解,特別支援教育実施のための校内体制の構築などがセンター的機能実施上の課題として挙げられております。  こうした課題,いわば現場の声を踏まえ,今後,特別支援学校センター的機能の強化に向けて,県としてどのように取り組んでいくのか,御所見を伺います。  以上で,質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯藤島正孝議長 高崎進議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。                     〔橋本昌知事登壇〕 6 ◯橋本昌知事 高崎進議員の御質問にお答えいたします。  新たな結婚支援優待制度の実施についてお尋ねをいただきました。  議員御提案のとおり,群馬県において取り組みが始まった,新婚夫婦や結婚を予定しているカップルを対象とする商品の割引等を行う優待制度は,若い世代の結婚に伴う新生活を経済的に支援することや,社会全体で結婚を応援する機運の醸成,さらには,地域経済の活性化にもつながることが期待されます。  県におきましては,平成19年度から,いばらきkids clubカードを,平成26年度からはいばらきシニアカードを導入いたしましたが,いばらきkids clubカードにつきましては,現在,県内の協賛店舗数は5,700店舗を数え,昨年度からは,子育て支援パスポート事業の全国共通化に伴い,全国で利用できるようになりました。また,シニアカードにつきましても,導入から2年半で約3,400店舗の御協賛をいただくなど,多くの子育て家庭や高齢者の皆様に活用されております。  これらと同様の優待制度を結婚支援に導入するに当たりましても,県内全域で多くのお店に協力,参加していただけること,多くの新婚夫婦や結婚予定カップルなどに幅広く利用していただけることが重要となってまいります。  県といたしましては,今後,他県の実施状況も参考としながら,活発な利用を促すためにも,対象範囲や協賛内容などについて,市町村や,結婚式場,賃貸住宅,家具・家電販売店等の結婚・新生活に関連する事業者などと協議し,優待制度の導入に向けて検討してまいりたいと考えております。  次に,若者の学びなおしと自立支援についてお答えいたします。  ニートやひきこもりなど,さまざまな困難を抱える若者を自立に向けて支援していくことは極めて重要であると認識しております。
     県では,これまで,ニート対策として,国が県内3カ所に設置しております地域若者サポートステーションの活動を支援し,個別相談や職場体験等を通じて職業的自立の支援に努めてまいりました。  また,ひきこもり対策としては,ひきこもり相談支援センターを設置し,専門コーディネーターによる相談支援に当たりますとともに,各保健所をサテライトとして,専門相談や家族教室,居場所づくりを実施するなど,社会復帰のための支援を行っているところであります。  ニート等になる要因はさまざまですが,不登校や中途退学,就職できなかったことなどがきっかけになることも多く,議員御指摘のとおり,未然防止としての入り口対策や,学校と支援機関等の情報共有による切れ目ない支援は,若者の学びなおしや自立支援に向けて大変重要な課題であります。  本県における入り口対策としては,学校の現場において,インターンシップなどのキャリア教育を通じて,勤労観や職業観の醸成などに努めますとともに,生徒のさまざまな不安や悩みなどの電話相談等に24時間対応する子どもホットラインの開設,スクールカウンセラーの配置やスクールソーシャルワーカーの派遣など,相談支援体制の充実に取り組んでいるところであります。  その結果,県立高校における中途退学者の割合は,平成23年度の1.7%から,平成27年度は0.9%へと大きく減少してきております。県立高校においては,中途退学に至った生徒や,進路を決められずに高校を卒業した生徒,就職して離職した若者などに対し,各学校の進路指導担当が相談窓口となり,就労支援機関を紹介する等,次の進路に向けて必要な支援が受けられるよう,きめ細かな対応に努めております。  一方,若者が抱える問題がますます複雑・多様化する中,学校,福祉・保健・医療,雇用など,さまざまな支援機関が横断的な連携体制を構築し,必要な情報を共有しながら,支援の充実を図っていくことが重要となっております。  このため,6分野・34の関係機関から成る茨城県子ども・若者支援地域協議会を設置し,若者支援に関する協議や情報交換等を行っているところであります。  これまでの協議では,課題として,支援機関と市町村との連携不足や,相談・支援機関や団体等に関する情報不足などが挙げられており,対応策として,市町村担当者の研修会を実施しますとともに,広く県内の支援機関や相談窓口等の情報に関するガイドブックの作成を進めているところであります。  また,議員から御提案いただきました高知県の情報提供のシステムにつきましては,本県の個人情報保護条例等に適合するのか,本人や保護者から理解を得られるのか,支援機関における情報管理の問題など,さまざまな観点で検討を行う必要がございますが,今後,協議会の場も活用しながら検討を進めてまいりたいと考えております。  県といたしましては,ニート等の入り口対策や情報の共有による学びなおしの支援などに関して,より効果的な方策等について検討を行い,困難を抱える若者に対する一層の支援の充実に取り組んでまいります。 7 ◯藤島正孝議長 次に,松岡保健福祉部長。                   〔松岡保健福祉部長登壇〕 8 ◯松岡保健福祉部長 アレルギー疾患対策についてお答えいたします。  国では,「アレルギー疾患対策の方向性等」を通知し,各医療職種の人材育成,情報提供・相談体制の確保などを行ってまいりました。  県におきましても,同通知に基づき,国開催のアレルギー疾患に関する相談員養成研修会へ保健師を派遣し,相談に対応できる人材を育成するとともに,地域における相談体制の充実のため,市町村の地域保健担当者や学校の養護教諭等を対象とした研修会を開催してまいりました。  さらに,ホームページの活用により,県民へのアレルギー疾患に関する情報の提供,普及啓発を図っております。  近年,アレルギー疾患は増加傾向にあり,症状によっては日常生活に多大な影響を及ぼすこともあります。しかしながら,地域によっては,医療提供体制の整備が進んでいないことや情報が少ない等の理由から,適切な医療機関を選択できない場合も少なくありません。  国では,このような状況に鑑み,総合的なアレルギー疾患対策を推進するため,平成27年12月にアレルギー疾患対策基本法を施行し,本年3月にアレルギー疾患対策の基本指針を策定いたしました。  その中で,各地方公共団体においては,適切なアレルギー疾患医療を受けるための医療提供体制の確保,アレルギー疾患の予防のための知識の普及啓発,アレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上のための相談体制の整備などが求められております。そのため,国は,本年度中をめどに,ガイドラインを策定することとしております。  県といたしましては,アレルギー疾患対策にはさまざまな分野がかかわってきておりますので,まずは,庁内の医療・保健・福祉の分野のみならず,教育,環境分野等担当課とも連携する場を新たに設け,既存の事業や施策の整理などを行い,知識の普及啓発や相談体制を強化してまいります。  今後,県では,国のガイドラインに基づき,県医師会や専門医等の意見を伺いながら,本県の実情に応じたアレルギー疾患医療の提供体制整備等に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に,広域災害救急医療情報システム,いわゆるEMISについてお答えいたします。  EMISは,災害発生時に医療機関の稼働状況などの災害医療にかかわる情報を収集・提供し,DMATの派遣要請など,被災地域での迅速かつ適切な医療,救護活動を支援することを目的として運用されております。  本県では,既に,県内全ての病院と救急告示診療所合わせて182の医療機関がEMISに加入しており,災害発生時には,各医療機関がみずから定める災害対策マニュアルに基づき,確実に災害医療にかかわる情報を入力できるよう訓練等を実施し,体制の整備を図っているところです。  具体的には,医療機関や保健所及び関係機関による全県での操作訓練を年2回実施しているほか,医療機関単独での訓練の実施についても働きかけております。また,医療機関の立入検査の際,EMISの入力体制や非常時の通信手段を確認・指導することで,災害発生時の情報収集体制の強化に努めております。  一方,災害時に電源が喪失したり,被害が重大で入力ができない場合には,保健所の職員が現地に赴くなど,当該医療機関の情報を収集して代行入力を行うこととしており,あわせて,保健所の代行入力訓練も実施しているところです。  災害時の通信手段の確保につきましては,県が整備する防災情報ネットワークシステムは,有線と地上無線の2回線で,安定した通信手段として災害情報を的確に収集することが可能となっております。当該システムは,既に94の救急医療機関が導入していることから,その他の医療機関の活用についても推奨しているところでございます。  また,災害発生時には,地上回線の混雑や断線等も想定され,通信手段の確実性を高めることが重要となります。衛星通信回線は,災害拠点病院には既に備えつけられておりますが,ほかの医療機関等における防災情報ネットワークシステムとの併用については,費用や有用性などの観点から,関係者で研究してまいりたいと考えております。  県といたしましては,災害時にEMISを有効に機能させるためにも,引き続き,さまざまな課題を想定した訓練や通信手段の充実を通し,適切な運用体制の強化を図ってまいります。  次に,犬猫殺処分ゼロに向けた取り組みについてお答えいたします。  県では,動物愛護管理推進計画に基づき,これまで動物愛護の普及啓発や譲渡の推進などに努めており,その結果,犬猫の殺処分頭数は着実に減少しております。しかしながら,議員御指摘のとおり,全国的に見ると,まだまだ高い水準にございます。  このような状況の中,昨年度制定されました茨城県犬猫殺処分ゼロを目指す条例に基づき,入り口対策として,飼い主の責務や適正飼養の啓発を徹底するとともに,出口対策にも力を入れ,これまでの事業とあわせて新たな取り組みを進めていくこととしております。  まず,入り口対策ですが,飼い主のいない猫の対策として,地域猫活動推進事業を開始し,複数の市町村と実施に向けて調整しております。  さらに,今月から犬猫の殺処分頭数減少につながる取り組みを公募しており,今後行われる審査会を経て選定された事業について,その活動費を補助することとなります。  次に,出口対策ですが,動物指導センターから犬や猫を譲り受け,新たな飼い主を探す活動を行っている団体等に対し,飼育管理費の一部を補助することとしており,交付を希望する団体等からの申請を受け付けております。  さらには,動物指導センターから団体等に犬や猫を譲渡する際,団体等の希望に応じ不妊去勢手術を行うこととしております。現在,手術を行うため,同センターでの体制整備に努めておりますが,獣医師の確保が難航しており,当面は,臨床経験のある動物指導センター職員が既存業務と並行して手術を実施しているところです。  殺処分ゼロを目指していくためには,こうした取り組みに加え,地域住民の理解と参画を促進していくことが肝要であり,そのためにも市町村の役割は大きいと感じております。  そのため,去る6月1日に,県民文化センターにおいて,市町村担当者など約370名の参加のもと,シンポジウムを開催し,先進的な取り組みを行う市町村の事例などを紹介したところです。  県といたしましては,積極的に市町村との連携を図るとともに,市町村による独自条例の制定や協議会の設置など,市町村の主体的な動物愛護の体制づくりを促進し,殺処分ゼロという大きな目標に向けて努力してまいります。 9 ◯藤島正孝議長 次に,近藤生活環境部長。                   〔近藤生活環境部長登壇〕 10 ◯近藤生活環境部長 文化芸術の振興についてお答えいたします。  本県では,これまで,県内で文化活動を行う団体等の自主的・主体的な文化活動を支援するため,いばらき文化振興財団に基金を設置し,日ごろの活動成果の発表や各種大会への参加などのための費用を対象に助成を行ってきたところであり,今年度の採択実績は59件,助成額は約2,150万円となっております。  この助成制度において,人件費や会費など団体運営に係る経費は助成の対象とはなりませんが,さまざまな活動のための費用に充当することができることから好評を得ており,今後とも,本制度の一層の周知を図り,広く活用していただきたいと考えております。  また,本県の文化活動を活性化していくためには,文化の普及による裾野の拡大を図り,文化活動への幅広い県民の参加を促進していくことが重要であり,そのためには,将来の文化の担い手や,よき鑑賞者となることが期待される子どもたちの育成が不可欠でございます。  このため,幼いころからすぐれた文化を鑑賞し,親しむ機会の充実を図る取り組みとして,芸術家を小中学校に派遣する文化芸術体験出前講座事業の講座数や対象校を一昨年度から大幅にふやすなど,より多くの機会の創出を図ったところでございます。  さらに,今年度は,この出前講座の発展型として,トップクラスの芸術家を講師に迎え,子どもたちとの対話・交流を行う子ども文化芸術大学事業を実施いたします。  また,県では,平成32年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックの開催機運を高めていくため,大会終了までの間,県内各地で文化プログラムを展開していくこととしており,これを通じて,文化団体のレベルアップや活動の活性化を図り,大会終了後もその成果を持続させていきたいと考えております。  このため,今年度は,県民や文化団体等から文化プログラムの企画を公募し,次年度以降に県と共催で事業化する県民企画公募型事業などを進めるとともに,文化プログラムに取り組む文化団体等に対し助言等を行うコーディネーター2名を配置し,その支援体制を整備してまいります。  なお,平成27年度に設置いたしました文化振興基金につきましては,現在,その運用益を伝統文化を承継する取り組みへの支援に活用しておりますが,今後の活用方策につきましては,文化審議会等の意見も伺いながら検討してまいります。  県といたしましては,文化振興計画が実効性のあるものとなるよう,基金の活用等も含め,必要な財源を確保しながら,県民の自主的な文化活動を支援することにより,本県文化芸術のさらなる振興に取り組んでまいります。 11 ◯藤島正孝議長 次に,鈴木商工労働観光部長。                  〔鈴木商工労働観光部長登壇〕 12 ◯鈴木商工労働観光部長 明治維新から150年を契機とした誘客促進についてお答えいたします。  現在,国においては,内閣官房に明治150年関連施策推進室を設置し,各府省庁が,明治期に関する文書等の収集・整理,建築物の公開,さらには,絵画・工芸品等の美術展の開催などに取り組むとともに,地方公共団体や民間も含めて多様な取り組みが日本各地で推進されるよう,機運を高めていくこととしております。  また,博覧会を開催中の高知県を初め,山口,佐賀,鹿児島,福井の5県では,明治150年に着目した観光キャンペーンなどが計画されているところであります。  こうした中,県内にも幕末期などの数多くの歴史的資源がありますことから,県では,水戸市や民間団体と連携し,水戸城二の丸跡において,白壁などによる景観整備を進めますとともに,弘道館につきましては,保存活用計画をことし3月に策定し,観光面での利活用を念頭に置いて整備を進めていくこととしております。  さらに,県立歴史館では,ことし10月から11月にかけて,本県ゆかりの幕末の志士に焦点を当てた特別展の開催を予定しているところであります。  また,水戸市におきましても,水戸城の正門に当たる大手門や二の丸角櫓の復元や,城を取り囲む土塀の整備に取り組むこととしており,先週7日には,平成31年の国体開催前の完成を目指し,大手門の復元事業に着手したところであります。  県内には,これらの歴史的資源のほかにも,幕末から明治期の志士の書画・遺品を数多く収蔵しております大洗町の幕末と明治の博物館や,日本のワインづくりを支えた牛久市のシャトーカミヤ旧醸造場施設,近代日本美術の祖,岡倉天心,横山大観などの業績をたたえる天心記念五浦美術館,明治期に活躍した古河出身の女流画家,奥原晴湖,幼児・女子教育の先駆者である豊田芙雄などの関連施設や文献など,数多くの歴史的資源がございます。  県といたしましては,明治維新150年という歴史的な節目に当たり,これらの資源を活用して誘客を促進することは,歴史や文化を次の世代へつなぐ意味でも意義のある取り組みであると考えております。  このため,関係部局を初め,市町村や関係団体などと連携を図り,本県の歴史的資源を県内外に広くPRするとともに,それらを周遊するモデルコースの策定や,旅行会社への商品造成の働きかけなどに積極的に取り組み,本県の誘客を促進してまいりたいと考えております。 13 ◯藤島正孝議長 次に,富永土木部長。                    〔富永土木部長登壇〕 14 ◯富永土木部長 新たな住宅セーフティネット制度の推進についてお答えいたします。  国においては,公営住宅の入居対象者も含む多様な住宅確保要配慮者へ対応するために,民間の空き家・空き室を活用した要配慮者向け賃貸住宅の登録制度など,住宅セーフティネット機能を強化する新たな制度を創設することとしており,これを実現するため,本年4月には住宅セーフティネット法が改正されたところでございます。  県といたしましても,公営住宅とあわせ,民間の空き家等を有効に活用して住宅セーフティネット機能の強化を図ることは非常に重要な課題であると認識しております。  そのため,県の関係部局と不動産関係団体とで組織する居住支援協議会を通じて,住宅確保に特に配慮を要する方々への居住支援の活動に取り組んできたところでございます。  具体的には,福祉部局や民間の関係団体との連携を図るため,国における居住や福祉に関する施策,全国の先進的な居住支援の取り組みなどに関して情報交換を行っているほか,県内で実施されている居住支援の取り組みを取りまとめ,ホームページでその情報を提供するなどの活動を実施しております。  さらに,地域の実情を踏まえたきめ細かな居住支援のためには,市町村の取り組みが必要となりますことから,協議会への市町村の参画を呼びかけ,本年3月には水戸市が県の協議会に参画したところでございます。  一方,公営住宅につきましては,本年3月に改定した茨城県住生活基本計画の策定過程において,今後10年間に公的な住宅支援が新たに必要となる世帯数と同期間内に公営住宅を退去する世帯数がほぼ同数であると試算されたところでございます。このため,新たな団地の建設は行わず,現状の戸数を維持した上で,既存の公営住宅における建てかえや長寿命化工事を実施していくこととしております。  また,県では,多様化する需要に対し,的確に県営住宅が供給できますよう,入居者の募集において,高齢者・障害者世帯やひとり親世帯,未就学児のいる子育て世帯等が優先的に入居できるよう配慮してまいります。  県といたしましては,今後もこうした取り組みを続けていくほか,本年10月末までに新たな住宅セーフティネット制度に関する法律が施行されますことから,今後,国から示される新制度の詳細について,他県の動向も注視しながら情報収集に努めてまいります。  さらに,居住支援協議会を活用した情報提供や,関係部局等との意見交換を行いつつ,積極的に新たな制度に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,道路地下の空洞化対策についてお答えいたします。  道路地下の空洞化に伴って道路の陥没が発生すれば,重大な事故につながるおそれがあることはもとより,交通の寸断が発生し,災害時の救援活動や復旧活動にも大きな支障を来すことから,空洞化した箇所を調査し,未然に対策を講じることは大変重要であると考えております。  空洞化の発生要因といたしましては,道路排水施設や下水道管などの地下埋設物の破損による土砂の吸い出し,橋梁や道路横断施設などの構造物周辺の地盤の緩みによる沈下や土砂流出,さらに,地震時の液状化による砂の噴出などがございます。  本県におきましても,土砂の吸い出しや沈下,東日本大震災時の液状化などによる空洞化で,道路の陥没が発生しております。  このようなことから,これまでも,通常時や地震時の道路パトロールにおきまして,空洞化の兆候としてあらわれる地下構造物周辺での路面の沈下や亀裂などを重点的に監視するとともに,東日本大震災で液状化による陥没が発生した区間などについて,レーダー探査機による調査を実施いたしました。  これらのパトロールや調査により異常を確認した箇所につきまして,舗装を撤去し,空洞の状況を調べ,原因を究明した上で,対策を講じてきたところでございます。  本年度に入りましても,道路の陥没が複数回発生しておりますことから,空洞化しやすい箇所などにつきまして,緊急に路面の変状を調査するとともに,地下埋設物の管理者に対し,点検を指示したところでございます。  また,地下埋設物の老朽化や,近年の集中豪雨により,道路地下で土砂流出が発生している可能性もありますことから,空洞化した箇所を一層確実に調査していくことは重要な課題でございます。  このため,地下埋設物の管理者に対し,安全確認の徹底を要請するとともに,埋設物の老朽化の情報を共有することや,茨城県舗装維持修繕計画に基づき,修繕履歴を的確に管理することなどにより,効率的・効果的に道路パトロールを実施してまいります。  さらに,緊急輸送道路につきましては,地下構造物の老朽化が進んでいる箇所や,土砂流出が起こりやすい地盤特性を有する区間,過去の空洞化の発生状況により再び空洞化するおそれのある区間などにおいて,空洞探査機による調査も必要と考えており,試験的な調査ができる限り早く実施できるよう,検討を進めてまいります。  県といたしましては,これらの取り組みによって,空洞化した箇所を早期に発見し,未然に対策を講じることにより,道路の安全が確保できるよう努めてまいります。 15 ◯藤島正孝議長 次に,小野寺教育長。                    〔小野寺教育長登壇〕 16 ◯小野寺教育長 特別支援教育についてお答えいたします。  特別支援教育がスタートして10年が経過し,特別支援学校センター的機能は着実に高まってきておりますが,一方で,この間,特別な教育的支援を必要とする児童生徒は年々増加し,巡回相談件数もこの10年間で約3倍に増加しており,今後,特別支援教育のさらなる充実が求められております。  こうした中,議員の御指摘にもありましたように,特別支援学校におきましては,多様な障害に対応する教員の専門性の確保や,地域の相談ニーズに的確に応えるための人材の育成が課題となっております。  県といたしましては,これらに対応いたしますため,昨年度,特別支援学校の巡回相談員を35名から106名へと大幅に増員し,地域の実情に応じた支援体制を強化するとともに,今年度から新たに,巡回相談員の資質の向上を図るための専門研修を実施することとしております。  一方,小中学校など学校側の課題といたしましては,個々の教員の特別支援教育に関する理解の促進や,学校全体でチームとして支援する体制の充実などが挙げられております。  このため,県としましては,小中学校等の要請に応じて相談や支援を行う巡回相談員の派遣体制を強化し,昨年度は,10年前のほぼ3倍となる年間約6,000回の派遣を実施いたしました。  あわせまして,専門的な助言等が必要な事案に対応するための大学教授や医師等専門家の派遣につきましては,モデルとして実施しておりました平成25年度当時は年間約100回ほどの派遣にとどまっておりましたが,今年度は対象を県内全域に広げ,約1,000回と大幅に拡充する予定としております。  また,校内研修や支援体制の充実を図るためには,特別支援学級を担任する教員ができるだけ特別支援免許を保有することが望ましいことから,平成27年度より,免許取得に必要な講習の内容を見直すことで,講習期間を4年間から2年間に短縮し,免許取得の促進を図っているところでございます。  県といたしましては,こうした取り組みにより,特別支援学校センター的機能をより強化することで,各学校や地域全体において専門性の向上を図り,特別支援教育の一層の推進に努めてまいります。          ────────────────────────────── 17 ◯藤島正孝議長 暫時休憩をいたします。  なお,会議再開は,午後2時20分を予定いたします。                     午後2時3分休憩
             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後2時21分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 18 ◯森田悦男副議長 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  なお,傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので,御留意願います。  石塚仁太郎議員。                 〔32番石塚仁太郎議員登壇,拍手〕 19 ◯32番石塚仁太郎議員 いばらき自民党の石塚仁太郎でございます。  本定例会において,通算7度目の一般質問をさせていただくこととなりました。日ごろから多大なる御支援を賜っております地元坂東市の皆様を初め,登壇の機会を与えてくださいました先輩議員,そして同僚議員のお心遣いに深く感謝を申し上げます。  それでは,通告に従い,質問をしてまいりますので,知事初め執行部の皆様には明快なる御答弁をお願いいたします。  初めに,県住宅供給公社の破産の責任についてお伺いいたします。  約7年前の平成22年9月,茨城県住宅供給公社は,都道府県と政令指定都市で初となる破産に陥りました。この破産により,県がそれまでに負担した268億円と合わせて,680億円もの税金が投入されました。  この問題は,竹内前知事当時に大量に土地を購入したところだけが強調されておりましたが,橋本知事になってからも40数億円を超える土地を買い続けていることを踏まえると,その後の処理に当たった橋本知事にこそ問題があったのではないでしょうか。  橋本知事は,680億円も県民に負担させ,血税をどぶに捨てるように不始末の処理をすることになりました。事の重大性を考えれば,即辞職に値するものでありました。しかしながら,知事は,給与及び退職金を一部カットすることでお茶を濁し,その後も知事の職にとどまっております。  そこで,まず,破産処理から約7年が経過した現在,住宅供給公社の破産処理について,改めて知事の認識をお伺いいたします。  そして,二度とこうした問題を引き起こさないようにするためには,しっかりと検証し,記録を残していくことが重要であると考えます。  このことは,平成22年第3回定例会の予算特別委員会でも取り上げられております。「全て一つにまとめて,記録としてきちっと残して,未来の職員にもきちっと伝え,未来の知事初め執行部にもきちんと引き継いでいくべき」との質問に対し,知事は「十分にまとめて後に残していきたい」との答弁を残しております。  しかし,改めて県ホームページを見たところ,県の住宅情報の中に,茨城県住宅供給公社関連として,当時の知事のコメントや法律上の手続の問い合わせ先,県出資団体等調査特別委員会における調査結果報告書が掲載されているのみであります。こうした状態で,果たして十分に検証を行い,しっかりとした記録を残していると言えるのでしょうか。非常に疑問が残ります。  そこで,住宅供給公社の破産に関する検証と記録についてどのように取り組んできたのか,そして,破産から現在までの約7年間の県政運営において,こうした検証結果等をどう生かしてきたのか,あわせてお伺いいたします。  次に,県西地域のさらなる発展に不可欠な交通インフラの整備についてお伺いいたします。  まず,新たな交通インフラの整備についてであります。  私の地元県西地域は,首都圏に近く,平たんな地形を生かし,茨城を代表する大規模園芸産地になっており,毎日,新鮮な野菜を提供する,まさに首都圏の台所を担っている地域であります。  さらに,本年2月に県内区間が全線開通した圏央道などの効果もあり,日野自動車を初め,企業立地が進んでおり,今後,より一層,人と物の交流が盛んになることが期待されております。  しかしながら,一方では,他の地域と同様,少子高齢化や東京圏への人口流出などにより,人口減少が進展し,早急な対策が必要であり,県西地域に雇用を創出し,地域の活性化を図っていくことが何よりも重要であると考えます。  そのためには,交通インフラの整備が不可欠であります。県西地域は,かつては陸の孤島と呼ばれていたこともあるほど,交通の便が悪い地域でありましたが,このような状況を何としても改善していかなくてはなりません。  このような中,現在,県西地域に新たな交通インフラを整備する2つの大きな構想があります。  その一つは,東京直結鉄道,いわゆる地下鉄8号線の県内延伸であり,もう一つは,(仮称)県西縦断道路の整備であります。  地下鉄8号線の県内延伸については,以前の一般質問でも取り上げておりますが,我がいばらき自民党の先輩議員であります飯塚議員を中心とする議員連盟において懸命な働きかけを行ってまいりました。そのかいあって,昨年4月の交通政策審議会第198号答申で,初めて,本県県西・南部地域への延伸に関する記述が盛り込まれたところでありますが,ようやくといった感が否めません。私は,中央とも深いパイプを持つ知事であれば,もっと強く働きかけができたのではないかと感じております。県内延伸の実現に向け,県として積極的な姿勢を示していくことが求められます。  一方,(仮称)県西縦断道路につきましては,今後,整備が予定されている東埼玉道路・庄和インターチェンジから本県西南部を縦断し,北関東自動車道の桜川筑西インターチェンジまでをつなぐ高規格道路の構想であり,地下鉄8号線の県内延伸と一体となった整備を目指しているところであります。3月には,私も,想定ルートの沿線の6市町から成る県西縦断道路建設促進協議会とともに,知事への確認,要望を行ったところであり,早期の具体化に向け,期待をかけるものであります。  このように,県西地域には,近年,圏央道の開通などにより大きな注目が集まってきており,地域の未来を占うこの2つの大きな構想の道筋を立てる絶好の機会であると考えます。  茨城県総合計画「いばらき未来共創プラン」においても,県西地域について,「広域交通ネットワークが充実し東京圏との連携が強化される」との将来像を描いております。さきに述べた地下鉄8号線の県内延伸と県西縦断道路の整備は,まさに県西地域の目指す将来像の実現につながるものであると考えます。  そこで,県計画に掲げた県西地域の目指すべき将来像を現実のものとし,県西地域をさらに発展させるためには,このような新たな交通インフラの整備が不可欠と考えますが,知事の御所見をお伺いいたします。  次に,芽吹大橋の4車線化についてお伺いいたします。  私の地元坂東市は,千葉県との県境に位置しており,地域住民の方々は,芽吹大橋を介して,利根川の対岸にある千葉県野田市と日常生活から産業経済の面まで密接に交流を図っております。  しかしながら,過去の質問でも申し上げたとおり,芽吹大橋を含む県道つくば野田線の坂東市矢作から野田市目吹までの約3キロメートルの区間におきましては,大型車も含め交通量が非常に多く,朝夕の通勤通学の時間には慢性的な渋滞が発生しております。  さらに,本年2月に圏央道の県内区間が全線開通したことに伴い,坂東インターチェンジを利用する車両により,ますます交通量がふえているように感じております。  また,近くに県立自然博物館があることから,特に,博物館で特別展示会のある土曜日,日曜日などは,交通が全く遮断されたごとく渋滞をいたします。これでは博物館の集客にも悪い影響が生じてしまいます。  芽吹大橋の4車線化は,渋滞解消を図る上で最も効果的な対策であり,ひいては,千葉県との交流を促進し,県南・県西地域の産業経済活動の振興を図ることにつながるものであります。  私は,これまでの一般質問において,2回,芽吹大橋の問題を取り上げてまいりました。直近となる平成26年第2回定例会の質問に対しては,「交通状況の変化等を的確に把握しながら,芽吹大橋の4車線化も含めた渋滞対策について,引き続き千葉県とも連携し検討する」との御答弁がありましたが,検討ばかりで,その後,事態は一向に改善していないと言わざるを得ません。  そこで,芽吹大橋の4車線化に向け,これまでどのように取り組み,今後どのように対応していくのか,土木部長にお伺いいたします。  次に,東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ誘致についてお伺いいたします。  2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催まで3年余りとなり,事前キャンプ地決定の報道が少しずつ聞こえ始めました。  本県では,28の市町に事前キャンプ誘致の意向があり,誘致活動に取り組んでいると伺っております。4月には,常陸大宮市とパラオ共和国が事前キャンプの実施について合意したとの報道がありました。宮城県蔵王町と合同での誘致とのことでありますが,誘致決定は県内初のことであり,大変喜ばしいことであります。  また,龍ケ崎市も,柔道キューバ代表チームの事前キャンプ地として合意に至ったとのことであり,多くの市町村で事前キャンプが開催されることが期待されます。  一方で,私の地元坂東市においては,ヨーロッパのバルト三国の一つでありますリトアニア共和国のキャンプ誘致を目指し,県内でいち早く,同国の選手団らと人的・文化的な交流事業を推進するホストタウンの認定を受け,さらには,潮来市・境町との連携協定を締結し,誘致活動に取り組んでまいりました。  しかしながら,まことに残念なことに,リトアニアのキャンプ地は神奈川県の平塚市に決定したとのことであります。平塚市は神奈川県と共同で誘致活動を進めてきたとのことであり,リトアニアのキャンプ地として平塚市が選ばれたのは,そういった県の積極的な協力体制も要因の一つとなったものと推測できます。  本県において,キャンプ誘致の意向のある市町が一つでも多く誘致を実現できるよう,茨城県としても,市町村への支援にとどまらず,積極的な姿勢で誘致活動に取り組むべきであります。  そこで,より多くの市町村が東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地として選ばれるよう,今後,県としてどのように誘致活動に取り組むのか,理事兼政策審議監にお伺いいたします。  次に,介護者への支援について伺います。  昨年12月5日の読売新聞の一面トップ記事によりますと,2013年以降,高齢者介護をめぐる家族間の殺人や心中などの事件が全国で少なくとも179件発生しており,189人もの方が死亡していたとのことであります。ほぼ1週間に1件のペースでこのような事件が発生している状況であり,私にとって非常に衝撃的なニュースでありました。  生きとし生けるものにとって,死は生よりもはるかに厳粛なるものと私は受けとめております。誰もがひとしく尊厳ある死を迎えるべきものと考えますが,血を分けた子どもが年老いた親を手にかけてしまう,あるいは,長年連れ添った夫婦が介護疲れの果てに心中を図らなければならなかったというような事実は,私たち同じ時代を生きている者にとって言いようもない悲しさとやりきれなさが,脳裏に,そして胸に深く突き刺さるものであります。  読売新聞の調査では,加害者179人の中で70歳以上が87人と,割合にして49%にも上り,高齢の介護者は深刻な介護疲れに陥りやすいことがうかがえます。  また,被害者に認知症の症状が確認できた事件は,全体の40%を占める71件に上るとのことであります。認知症の特性から,介護に当たられる介護者の方々は肉体的にも精神的にも疲弊してしまい,追い詰められて殺人の行為に及んだケースが目立つとのことであります。  介護殺人,心中の大きな要因は社会からの孤立であると考えます。周囲に,生活をともにしたり,話し相手になる身近な親しい人がいない環境では,誰にも頼ることができず,自分1人で悩みを抱え,解決手段を見出せず,泥沼に入り込み,どんどん思考が悪いほうへと向かい,最終的に死を選択してしまうのではないでしょうか。  介護者は,介護を理由に,みずから周囲との交流を控えたり絶ったりすることがありますが,家族,友人,地域の方々,そして県,市町村等の公的機関などが介護者を決して孤立させないよう気にかけ,サポートすることが何よりも必要なことと考えます。  幸いなことに,近年,本県においては,このような痛ましい事件は発生していないとのことでありますが,高齢化が進んでいる社会においては,いつ,誰にとっても起こり得る事件と言えます。  そこで,本県において,今後も,介護殺人,心中という悲惨な事件を起こさせないため,介護者に対してどのような支援を行っているのか,保健福祉部長にお伺いいたします。  次に,さしま茶の振興方策についてお伺いいたします。  さしま茶は,奥久慈茶,古内茶と並ぶ茨城の三大銘茶の一つであり,私の地元坂東市を初め,県西地域の3市2町で生産されております。  さしま茶の歴史は古く,江戸時代初期のころから栽培が始まり,現坂東市辺田の豪農・名主であった中山元成翁が関宿藩のお茶販売の経営を任され,さしま茶の販路を関東一円へと広げ,さらには,日本茶初の輸出に成功したとの歴史もあります。  近年は,平成27年に開催された伝統的な製茶技術による日本茶の品質を競う第19回全国製茶技術競技において,さしま茶手揉保存会のチームが最優秀賞を受賞,また,昨年,つくば市で開催されたG7茨城・つくば科学技術大臣会合における歓迎レセプションでさしま茶が振る舞われ,各国の出席者から好評を得るなど,注目度が高まっているところであります。  平成27年の本県における荒茶の生産量は261トンで,全国第16位と,県西地域の基幹品目である露地野菜と比較しますと,生産規模は小さいものの,私は,さしま茶は茨城を代表するすばらしい特産品の一つであると考えております。  しかしながら,自宅での飲用機会・飲用量の減少や手軽なペットボトル製品の普及等の社会的な変化もあり,お茶の消費量は減少しており,あわせて,生産者数や栽培面積も減少傾向にあります。  このような中,県西地域の生産者は,平成21年にさしま茶協会を設立し,さしま茶ペットボトルの販売や地元小学校でのお茶に関する出前授業の実施,お茶に関する知識や実技を競うT1グランプリの開催など,さしま茶の消費拡大やPR活動に一丸となって取り組んできたと伺っております。  県としても,こうした意欲ある生産者を応援し,日本を代表するお茶の産地として維持・発展できるように,さしま茶の生産・販売の拡大を支援していただきたいと考えております。  そこで,今後のさしま茶の振興方策について,農林水産部長にお伺いいたします。  次に,中高生の英語力の向上についてお伺いいたします。  現在,急速に社会のグローバル化が進んでおり,本県においても,いばらきグローバル化推進計画を策定し,その基本方針の一つとして,グローバル化にふさわしい人づくりを進めているところであります。  グローバルな社会の中で,英語はユニバーサルランゲージの地位を築いており,いわば世界共通の言語になっております。将来のいばらきを担う若者にとっては,英語力を向上させていくことは大変重要なことであると言えます。  このような中,4月5日に文部科学省が発表した2016年度の英語教育実施状況調査の結果によりますと,本県の中学3年生のうち,英語検定3級以上を取得している生徒及び英語検定3級以上相当の英語力を有すると思われる生徒の割合は,前年よりも4.8%低下して35.0%,全国順位も20位と,前年の12位から順位を落としております。  また,同様に,準2級以上相当の英語力を持つ高校3年生は,前年よりも4.7%上昇して31.9%,全国順位も前年から3位順位を上げたものの,全体の39位にとどまっているとのことであります。  この調査は,英語検定を受けていない生徒等は,テストの結果や授業の状況をもとに,教員が独自に認定することとなっており,全国的に統一された基準がないことから,必ずしも本県の生徒の英語力を正確にあらわしているとは言えませんが,非常に残念な結果であります。  また,国は,2017年度までに50%にするという目標を掲げており,本県中高生の英語力のさらなる向上が望まれます。  では,英語力を向上させるにはどうすればよいのでしょうか。  一つは,ネイティブスピーカーを積極的に活用することであると考えます。英語力とは,すなわち英語でコミュニケーションをとる能力であり,何といっても話す能力(スピーキング)と聞く能力(リスニング)を高めることが重要であります。そのためには,ネイティブスピーカーと接する機会をふやし,生きた英語に触れることが一番の近道であります。  もう一つは,生徒に英語を教える教員のさらなるレベルアップであります。先ほどの調査では,英語担当教員の英語力も調査しており,本県の英語教員のうち,英語検定準1級以上に相当する資格を取得している教員の割合は,中学で24.7%,高校で61.5%となっており,国の目標である2017年度までに,中学で50%,高校で75%の達成は厳しい状況であります。より英語力の高い教師から教わることが生徒の英語力の向上につながるものと考えます。  以上を踏まえ,将来のいばらきを担うグローバル人材を育成するため,どのように中高生の英語力の向上に取り組んでいくのか,教育長にお伺いいたします。  次に,訪問型家庭教育支援についてお伺いいたします。  家庭教育支援に関しては,昨今の家族形態の多様化や地域社会とのつながりの希薄化などにより,家庭の教育力や地域が家庭を支える力の低下が指摘される中,我がいばらき自民党ではプロジェクトチームを立ち上げ,議論を重ねてきた結果,昨年12月の第4回定例会において,家庭教育支援施策を総合的に推進するための茨城県家庭教育を支援するための条例が制定されました。  また,県教育委員会においては,教育行政運営の基本方針として,平成28年3月に,「子どもたちの自主性・自立性を育もう」をテーマとしたいばらき教育プランを策定し,特に,生涯にわたる人格形成の基礎を培う乳幼児期において,就学前教育・家庭教育の推進に最優先で取り組むことにより,自主性・自立性に富み,優しさや思いやりを持って,強くたくましく生きられる子どもの育成を図ることとしております。  さらに,就学前教育・家庭教育をより一層強力に推進するため,本年4月から,教育長直轄の組織として就学前教育・家庭教育推進室を設置し,就学前教育及び家庭教育に一元的に取り組んでいく体制が整備されたところであります。  私の地元坂東市でも,家庭の教育力の向上を目指し,平成26年から家庭教育学級の開催などに力を入れてきており,3カ月児健診における講話や企業内家庭教育学級の開催など,新たな施策にも取り組んでまいりました。  このような取り組みを進める中で,不登校や地域からの孤立などにより,主体的な家庭教育が困難な家庭への支援を考慮する必要があるという課題が生じ,この課題を解決するため,昨年度から,国のモデル事業である訪問型家庭教育支援事業に取り組んでいるところであります。  訪問型家庭教育支援は,不登校などの問題がある家庭に対して,教員OBや民生委員が支援チームを組み,支援員が実際に各家庭を訪問し,保護者への相談や情報提供により,状況の改善に取り組むものであります。これまでの学びの場に来てもらうという行政支援ではなく,自宅等へ伺うという行政の積極的な姿勢によるアウトリーチ型の支援であります。  訪問型家庭教育支援は,ある意味,家庭の中に入り込む取り組みであり,本県を含む東日本では積極的に取り組まれてこなかったとのことでありますが,これまでの支援が届きにくい家庭のニーズに応えることができる個別の対応により,問題の早期対応や未然防止につながるという利点があります。  現在,坂東市のほか,高萩市においてもこの事業に取り組んでいるとのことでありますが,このような取り組みはぜひとも他の市町村へも広げていくべきであります。  そこで,家庭教育の支援策として大変有効である訪問型家庭教育支援について,今後どのように取り組んでいくのか,教育長にお伺いいたします。  最後に,飲酒運転撲滅に向けた取り組みについてお伺いいたします。  飲酒運転は,運転手の愚かな行為により,何の落ち度もない他人の生命を脅かす極めて危険で悪質な行為であります。  本県では,昨年,飲酒運転による死亡事故が21件発生し,死者24人,いずれも全国ワーストであります。また,ことしに入ってからも,4月末現在,既に4件の飲酒運転による死亡事故が発生しており,全国ワースト3位となっております。  近年,飲酒運転による事故件数は全国で減少傾向にあるにもかかわらず,本県においては,発生件数,死亡事故件数,死者数,負傷者数のいずれも前年を上回っており,依然として飲酒運転の絶えない非常に危機的な状況の中にあります。  また,昨年1年間の飲酒運転による事故と摘発を合わせた市町村別の件数は,運転免許人口10万人当たりに換算すると,私の地元の坂東市が120.49件でワーストとのことであります。  この結果は,茨城県民,とりわけ坂東市民の私たちにとって大変残念な結果であり,飲酒運転は絶対にあってはならない,撲滅しなくてはならないという思いを新たにしたところであります。  飲酒運転を撲滅させるには,飲んだら乗らない,乗るなら飲まないという本人の心がけはもちろんのこと,運転する人に飲ませない,飲んだ人に運転させないという周囲の心がけや,飲酒運転は絶対に許さないという社会づくり,徹底的な意識改革が重要であります。  また,あわせて,取り締まりをさらに強化していくことも大きな抑止力として期待できます。  取り締まりによる飲酒運転の検挙数は,昨年9月以降,毎月100件から200件と非常に高い件数で推移しておりますが,特に,事故発生件数の多い市町村など,的を絞って重点的に取り締まる必要があると考えます。  さらに,運転手以外のお酒・車両の提供者及び同乗者も処罰の対象になっており,これらの取り締まりを強化することは,飲酒運転をさせない社会づくりにつながるものと考えます。  そこで,本県のこの危機的状況を改善すべく,飲酒運転撲滅に向け,今後どのように取り組んでいくのか,警察本部長にお伺いいたします。  以上で,私の質問を終わります。
     御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 20 ◯森田悦男副議長 石塚仁太郎議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。                     〔橋本昌知事登壇〕 21 ◯橋本昌知事 石塚仁太郎議員の御質問にお答えいたします。  県住宅供給公社の破産の責任についてお尋ねをいただきました。  まず,住宅供給公社の破産処理に対する私の認識についてであります。  住宅供給公社につきましては,議会での御審議や御提案等を踏まえ,破産という道を選択し,平成22年9月に申し立てを行い,平成26年11月に手続が完了いたしました。  住宅供給公社は,私が知事に就任する前の平成元年度から平成5年度の5年間に,400億円以上を投入して,300ヘクタールを超える土地を集中的に買収しており,私が知事に就任した時点では,既に当時の住宅地需要をはるかに超える土地を取得しておりました。  その中には,虫食い的に買収された土地や,起伏が激しく住宅地には不向きな土地なども多く含まれておりました。私になってからも土地を買い続けたとの御指摘がありましたが,これらの土地は,虫食いのところを埋めるために必要な土地などであり,売れない土地を処分するために買収を継続せざるを得なかったところであります。  また,バブル期に計画した住宅地の多くが,その後のバブル経済の崩壊,さらには,長期にわたる景気低迷や地価下落によって販売が不振となり,土地取得のための多額の借入金の利子負担なども相まって,住宅供給公社は危機的な経営状況に陥っておりました。  仮に,公社を破産させずに継続して事業を行っていけば,さらに状況は悪化していくと考えられましたことから,第三セクター等改革推進債を活用し,一般行政への影響を最小限に抑えながら,破産という選択をしたものであります。  このような経緯から,次世代の県民に負担を負わせる形となってしまっていることにつきましては,大変申しわけなく存じております。  次に,住宅供給公社の破産に関する検証と記録についてでございます。  平成22年第3回定例会の予算特別委員会でも答弁させていただきましたとおり,記録をきちんと残し,引き継いでいくことは大変重要であると考えております。  そのため,県では,住宅供給公社の破産について総括して検証することが必要と考え,県出資団体等調査特別委員会など県議会における御意見や,有識者から成る出資団体等経営検討特別委員会での御意見を伺いながら,検証結果を取りまとめ,これを記録として,平成26年11月の県議会県出資団体等調査特別委員会及び土木企業委員会で,「茨城県住宅供給公社の破産とその総括」と題し,御報告をさせていただきました。その内容が,県出資団体等調査特別委員会報告書に記載されているものであり,これが県として最もわかりやすくまとめた記録でありますことから,ホームページにはこの報告書を掲載させていただいているところであります。  また,住宅供給公社の破産のような事態を二度と起こさないよう,この検証結果を踏まえ,財政規律の強化や保有土地の早期処分などに取り組んでまいりました。  具体的には,住宅供給公社の用地取得に要した多額の借入金の償還と金利負担が経営を圧迫し,破綻の大きな要因となったことから,出資団体等に対する損失補償や債務保証の見直しを徹底して行い,安易な支援を行わないこととするとともに,保有土地に係る単年度貸し付けも実施しないことにいたしました。  さらに,出資法人のガバナンスが有効に機能するように,理事会の適正な運営やコンプライアンスの徹底などを指導しますとともに,経営評価を通じて出資団体の財務状況を公表するなど,さまざまな取り組みを実施してまいりました。この結果,出資団体の経営評価においておおむね良好の団体が,平成22年度は全体の36%だったものが,平成28年度には73%になるなど,多くの出資団体の経営状況が改善されてきております。  今後も,県政運営に当たりましては,住宅供給公社の破産という経験を生かし,健全な財政構造の確立を進めてまいりたいと考えております。  次に,県西地域のさらなる発展のための交通インフラの整備についてお答えいたします。  新たな交通インフラの整備についてでございます。  県西地域は,東京に近く,広大な平たん地という特性を有しており,広域交通体系整備の確実な進展により,人口減少が進む中にあっても,今後の発展が大いに期待できる地域でありますことから,県といたしましては,近年でも,日野自動車やファナックなど日本を代表する企業等を誘致いたしますとともに,全国有数の大規模園芸産地づくりを進めるなど,雇用の拡大や地域の活性化に全力で取り組んできたところであります。  こうした中,本年2月の圏央道県内区間の全線開通を契機に,県西地域の一層の発展を図っていくためには,議員御指摘の新たな交通インフラについても,長期的な視点から検討していく必要があると考えております。  まず,東京直結鉄道,いわゆる地下鉄8号線の県内延伸でございますが,私は,石塚議員も加盟されている議員連盟や誘致促進協議会などと連携しながら,国の交通政策審議会の答申に位置づけがなされるよう,石井国土交通大臣を初め,国土交通副大臣や国土交通省鉄道局長に直接要望するなどの働きかけを行ってまいりました。  当初,交通政策審議会では,収支予測や費用対効果などから,答申への位置づけは極めて難しいとされておりましたが,私は,答申の足がかりとするため,私が会長を務めております首都圏広域地方計画協議会の議論の中で,防災・減災と一体化した成長・発展戦略として,東京都心と茨城県西・南部地域とのアクセスを改善する道路・鉄道網を強化しておくことの必要性を国に強く提案し,首都圏広域地方計画の中に記述をしていただいたところであります。このことが,昨年4月の答申において,県内延伸の記述が初めて盛り込まれたことに極めて大きな力となったものと考えております。  答申では,「茨城県が東京の都市機能のバックアップ等の観点から,東京都心と茨城県西・南部地域とのアクセスを改善する道路・鉄道網の強化策としてさらなる延伸について検討している」と記述されておりますが,このような書き方はこれまで例がなく,私が首都圏広域地方計画協議会の会長をしていたことが大変役に立ったのではないかと自負しており,誘致促進協議会や議員連盟のメンバーからも高く評価をしていただいたところであります。  今後,県内延伸を実現するためには,まずは千葉県野田市までの延伸の早期事業化が必要となりますので,県といたしましては,東京都,埼玉県,千葉県などとも連携しながら,事業化に向けた機運の醸成に努めますとともに,国に対し,延伸の早期実現に向けて,要望や働きかけを行ってまいります。  また,鉄道の建設に当たりましては,定住人口や交流人口の拡大による交通需要の創出が重要でありますので,沿線の市町と連携して開発などを進め,鉄道が必要とされる環境整備に努めてまいりたいと考えております。  次に,(仮称)県西縦断道路についてでございます。  県西地域における広域的な道路につきましては,まずは圏央道について,定時性の確保や,今後見込まれる交通量増加への対応等の観点から,4車線化に向けて取り組んでいくことが最優先事項と考えており,国に対し,強く働きかけてまいります。  また,地域を縦断する国道294号の4車線化や筑西幹線道路についても,順次,整備を進めてまいります。  お尋ねの県西縦断道路につきましては,圏央道と北関東道を結ぶ地域高規格道路として,地元市町が組織する協議会において検討されているところでありますが,今後,地域における機運の醸成や具体的な計画づくりなどが必要となってまいりますので,地元市町の取り組みに協力してまいりたいと考えております。  県といたしましては,今後とも,地元市町等と連携しながら,企業誘致や農業の振興,さらには,地域間連携を支える交通ネットワークの充実などに努め,県西地域のさらなる発展のために全力で取り組んでまいります。 22 ◯森田悦男副議長 次に,富永土木部長。                    〔富永土木部長登壇〕 23 ◯富永土木部長 芽吹大橋の4車線化についてお答えいたします。  芽吹大橋のある県道つくば野田線は,つくば市から坂東市を経由して千葉県野田市に至る主要な幹線道路であり,地域の方々の日常生活を支えるとともに,千葉県との交流を促進し,県南・県西地域の振興を図る上で重要な役割を担っております。  芽吹大橋を含む坂東市矢作地内から千葉県野田市目吹地内までの約3キロメートルの区間におきましては,歩道のある2車線の道路が整備されておりますものの,大型車を含め交通量が多く,朝夕の通勤通学時間帯を中心として慢性的な渋滞が発生しております。  このため,平成25年度に千葉県と連携して調査を実施したところ,特に平日朝7時から8時の時間帯においては,野田市の目吹交差点から坂東市の矢作交差点までの通過に,日中の平均的な所要時間の約4倍を要する状況であることがわかりました。  この調査結果をもとに,平成26年度には,矢作交差点における右折信号の設置など,渋滞を緩和する対策が実施されたところでございます。  しかしながら,この対策によって一定の効果は見られたものの,いまだ十分に渋滞が解消されていないことから,さらなる対策が必要ではないかと認識しております。  議員お尋ねの芽吹大橋の4車線化についてでございますが,事業化に当たっては,両県の多くの地権者の皆様に用地の提供をいただかなければならないことに加え,大規模な橋梁を含む延長約3キロメートルの工事に膨大な費用を要するとともに,本区間が県境をまたぐことにより費用負担を伴うため,千葉県の協力が不可欠であることなど,非常に多くの課題がございます。  このような中で,平成32年1月に,芽吹大橋の上流にある下総利根大橋有料道路が無料開放されることとなっており,これによって,芽吹大橋から下総利根大橋へ一定の交通量が転換するものと見込まれております。  このようなことも踏まえ,県といたしましては,昨年度に実施した渋滞対策シミュレーションをもとに,さらなる渋滞緩和対策として,今年度,矢作交差点の改良に着手してまいります。  今後は,下総利根大橋有料道路の無料開放を見込んだ交通量解析を実施し,交通状況の変化を定量的に把握した上で,芽吹大橋の4車線化も含めた渋滞対策について,千葉県と連携しながら,引き続き,検討を進めてまいります。 24 ◯森田悦男副議長 次に,齋藤理事兼政策審議監。                  〔齋藤理事兼政策審議監登壇〕 25 ◯齋藤理事兼政策審議監 東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ誘致についてお答えいたします。  東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプは,トップアスリートとの交流を通じ,県民のスポーツに対する興味・関心の向上や国際交流の推進,本県の魅力発信などの効果が期待されております。  このため,県では,市町村や県内大学,競技関係者等と連携をとりながら,事前キャンプに関する情報提供や市町村のサポート等の取り組みを進めているところでございます。  具体的には,市町村と誘致に係る連絡会議を定期的に開催し,大学関係者等を講師とした研修会や,キャンプ誘致の取り組みに関する情報交換などを実施し,県と各市町村間の連携体制を構築しております。  また,市町村とともに大使館を訪問するなど,相手国に対して誘致活動を行いますほか,各国からの県内施設への視察要請に対応しております。  さらに,県内施設を紹介する多言語対応のホームページやパンフレットを作成し,キャンプ地としての優位性を世界に向けて発信しております。  事前キャンプの決定は,従前からの各国との交流のみならず,スポーツ施設の規模や設備,宿泊施設の有無など,さまざまな点を考慮の上,各国の競技団体やオリンピック委員会などが決定するものです  坂東市がホストタウンとなっているリトアニアにつきましては,昨年の現地視察の際に県も同行し,親書を手渡したほか,リトアニア関係者への要望の際にも同席するなど,本県も市とともに誘致に努めたところでございますが,さまざまな候補地を視察した中で決定されたと伺っております。  一方,本年4月には,常陸大宮市がパラオ共和国と事前キャンプの実施について基本合意書を締結いたしましたほか,相手国との相互交流を図る目的のホストタウンにつきましても,本県は,現在,全国最多の8件登録されているなど,成果も出てきたところでございます。  県といたしましては,市町村の誘致活動をさらに支援するため,本年度,新たに,キャンプ誘致活動経費の一部を助成する制度を創設いたしました。  今後とも,東京や空港からの良好なアクセスや充実したスポーツ施設の情報,豊かな自然・食の提供等,本県の持つキャンプ地としてのメリットを積極的にアピールし,市町村とともに誘致を推進してまいります。 26 ◯森田悦男副議長 次に,松岡保健福祉部長。                   〔松岡保健福祉部長登壇〕 27 ◯松岡保健福祉部長 介護者への支援についてお答えいたします。  高齢化が進展し,介護を必要とする方が増加する中,負担が増大する家族などの介護者が社会から孤立することのないよう,地域全体でサポートすることが求められております。  このため,ショートステイやデイサービスなどといったサービスの充実により,介護者の身体的・精神的な負担軽減を図っておりますほか,市町村における介護教室や,介護家族の相談・交流会の開催の支援を行っているところです。  また,こうした支援策を利用せず,社会から孤立してしまうようなケースを防ぐため,民生委員を中心とした見守り活動に加え,県内企業や団体との見守り活動に関する協定の締結を推進するなど,地域における見守り体制の強化にも取り組んでおります。  特に,介護者の負担が大きいと考えられます認知症につきましては,全ての市町村において,平成30年度までに認知症初期集中支援チームを設置し,認知症の方やその家族等に対する訪問を行うことで,必要な医療・介護サービスの利用につなげるとともに,家族に対する支援を包括的・集中的に実施していくこととされております。  このため,県といたしましても,チームの設置に必要な研修の受講に対する支援を行っておりますほか,今後は,チーム員の資質の向上に向けたフォローアップ研修なども開催してまいります。  さらに,認知症の方やその家族を温かく見守る認知症サポーターの養成に努めますとともに,当事者が地域の方や専門家と相互に情報を共有し,理解し合う認知症カフェの設置を推進しているところであり,今年度からは,新たに,認知症の人と家族の会に電話相談事業を委託し,介護者が孤立することのないよう,支援の強化を図っております。  このような支援策の充実に加え,ふだん,介護とのかかわりの少ない県民の皆様にも,介護について考えていただくきっかけとなりますよう,毎年11月11日の介護の日や,県が認知症を知る月間と定めた9月を中心に,普及啓発活動に取り組んでいるところです。  県といたしましては,今後も引き続き,支援を必要とする方とその家族のニーズを起点としたファミリーケアの視点での支援の充実を図り,誰もが安心して暮らし続けることができる地域社会の実現に取り組んでまいります。 28 ◯森田悦男副議長 次に,櫛田農林水産部長。                   〔櫛田農林水産部長登壇〕 29 ◯櫛田農林水産部長 さしま茶の振興方策についてお答えいたします。  茶の生産につきましては,全国的に栽培面積が減少する中,本県においても,生産者の高齢化や,急須で入れる茶葉の需要減少等に伴い,生産量は減少しております。  こうした中,さしま茶は,古内茶,奥久慈茶と並ぶ県内の主要産地であり,今後とも,地域における栽培の特徴や歴史的な背景を生かして,振興を図っていくことが重要と考えております。  このため,県では,これまで,生産面では,土壌成分分析や改植による品質向上,春先の霜対策のための防霜ファンやスプリンクラーなどの機械・施設の導入を支援してまいりました。  また,販売促進面では,平成27年度から,農林水産物地域ブランド力向上支援事業を活用し,茶葉の生産から加工,販売まで一括で行う生産者が多いという地域の特徴を生かしたブランドづくりを支援してまいりました。  その結果,昨年度に,キリンビバレッジ株式会社と連携した新商品づくりによるさしま紅茶を使用したボトル缶飲料の全国販売や,現地の嗜好に合うよう製品の改良を行い,西アフリカのニジェールに向けたお茶の輸出の取り組みが始まりました。  さしま茶協会では,さらに,日本で初めてお茶を輸出したというさしま茶の歴史的背景を生かして,産地の歴史を伝えるヒストリーブックの作成などのPR活動や,地元小学生がお茶の効能や入れ方について学ぶ茶レンジ授業などの食育活動も行い,将来の需要の喚起にも取り組んでおります。  県といたしましては,こうした新たな取り組みの機運を生かしながら,まず,生産面については,引き続き,収量・品質向上のための改植や新植,低コスト化のための乾燥機等の導入などとあわせて,新たに産地で関心が高まっている農業生産工程管理,いわゆるGAPの導入や,専用の病害虫防除機械を使用した無農薬栽培の取り組みを支援してまいります。  また,販売促進面については,全国的知名度の向上や新たな販路開拓のため,大規模商談会への出展や,海外における農業者等が行う輸出に向けた取り組みへの支援を行ってまいります。  このような取り組みを通じて,さしま茶が本県の三大銘茶として維持・発展できるよう,引き続き,意欲ある生産者を応援し,その振興に努めてまいります。 30 ◯森田悦男副議長 次に,小野寺教育長。                    〔小野寺教育長登壇〕 31 ◯小野寺教育長 中高生の英語力の向上についてお答えいたします。  グローバル化が急速に進展する中,国際社会で活躍できる人材の育成は急務であり,実践的な英語力の向上は大変重要な課題となっております。  議員御提案のネイティブスピーカーの活用につきましては,現在,小中学校に外国語指導助手,いわゆるALTが約400人配置されており,これは,小学校5・6年生に外国語活動の導入が示された平成20年度当時と比べ,ほぼ100人の増となっております。また,高校におきましても,一昨年からALTを30人から40人に増員し,指導体制を強化いたしました。  各学校では,英語の授業時間はもとより,給食の時間や昼休み,課外活動など,学校生活のさまざまな場面において,児童生徒がALTと英語で触れ合う機会を計画的に設定するなど,積極的な活用を図っております。  また,県では,本年度より,中学校英語力向上事業を立ち上げ,生徒と教員それぞれの英語力の向上を図ることとしております。  まず,生徒向けの内容として,県内全ての中学2年生を対象に,タブレットを活用したスピーキングチェックを行い,そこで得られた結果を,生徒自身が英会話などの学習に活用できるようにすることで,生徒の英語力の向上を図ってまいります。  さらに,教員の英語力のさらなるレベルアップを図りますため,毎年150人ずつ,3年間で450人の中学校英語教員にリスニングやリーディング等の研修を受講させるとともに,あわせて,eラーニングなどによる自主研修を進めることで,積極的に英検等の資格取得にチャレンジするよう働きかけてまいります。  また,高校におきましては,授業にディベート活動などを取り入れるための指導法に関する研修を平成30年度までに全ての英語担当教員が受講することとしており,この研修を全て英語で行うことで,教員自身の英語力の向上にもつなげてまいります。  県といたしましては,今後とも,中高生の英語力向上に取り組み,将来のいばらきを担うグローバル人材の育成を一層推進してまいります。  次に,訪問型家庭教育支援についてお答えいたします。  家庭の教育力の低下が指摘される中,昨年12月に家庭教育を支援するための条例が施行されたことなどを踏まえ,今後は,特に,さまざまな問題を抱え,主体的な家庭教育が困難な家庭に対しましては,これまでよりも一歩踏み込んだ支援が必要であると考えております。  そのため,県では,昨年度,国のモデル事業を活用し,高萩市と坂東市の2市において訪問型家庭教育支援事業を実施し,地域人材である家庭教育支援員が直接家庭に出向き,当該家庭が抱える課題の解決に向けた支援を行ってまいりました。  この2市は,いずれも不登校の子どもを抱える家庭への支援をテーマに取り組みましたが,当初は,第三者が家庭を訪問することへの抵抗感を持つ保護者もおられたようでありましたが,丁寧に話を聞き,信頼関係を構築することで,子どもが登校できるようになったといった事例も報告されるなど,一定の成果も見えてきたところでございます。  今年度は,高萩市では,支援の対象となる家庭の子どもが通う中学校に支援員を常駐させることで,学校や保護者との情報を共有し,迅速な対応を図るとともに,小学1年生のいる家庭の全戸訪問を進め,問題が重症化する前の早期対応,未然防止に努めることとしております。  また,坂東市におきましては,昨年度支援した保護者の要望などを踏まえ,親の会を立ち上げ,保護者同士の情報の共有や孤立化の未然防止を図っているところでございます。  さらに,これら2市の取り組みに加え,今年度は,新たに5市町村が訪問型家庭教育支援に取り組んでまいります。
     新たに取り組みを行う市町村の中には,保健センターで実施する4カ月児健診の結果などを踏まえ,乳児のいる家庭を訪問する市町村や,5歳児健診などモデル事業と連携し,子どもの発達などの悩みを抱える保護者に,適切な情報提供や相談機関への橋渡しをしたりする市町村など,家庭教育支援条例の基本理念に沿って,就学前の子どもを持つ家庭を支援の対象とする事例もございます。  県といたしましては,今後,これら市町村の取り組みをしっかりと検証しつつ,その成果を広く県内に発信し,各市町村がそれぞれの課題に応じた訪問型家庭教育支援を円滑に行えるよう,全県的な普及拡大に努めてまいります。 32 ◯森田悦男副議長 次に,世取山警察本部長。                   〔世取山警察本部長登壇〕 33 ◯世取山警察本部長 飲酒運転根絶に向けた取り組みについてお答え申し上げます。  飲酒運転は,何の落ち度もない他人の命を脅かす悪質・危険な犯罪です。県内では,昨年,飲酒運転による死亡事故が21件認知され,事故後24時間以内に24名が亡くなり,飲酒運転による死亡事故件数,事故後24時間の死者数とも群を抜いて全国最多でございました。本年は,5月末時点で,飲酒運転による死亡事故が4件認知され,事故後24時間以内に4名が亡くなり,全国で3番目に多い状況でございます。  この大変深刻な状況を受けて,県警では,飲酒運転の根絶に向けて,次のような対策を講じているところでございます。  第1に,平成29年運営重点の3本の柱の一つに「飲酒運転の根絶と交通事故の防止」を定め,飲酒運転者はもとより,飲酒運転同乗者及び飲酒運転者への酒類・自動車の提供者を厳正に取り締まっており,5月末の時点で,昨年同時期の4.9倍を超える803名の被疑者を飲酒運転で検挙しているところでございます。  第2に,飲酒運転取り締まり後は,飲酒運転者に対する運転免許取り消し等の行政処分のための手続が早期に開始されるよう,捜査を迅速に進めているところでございます。  第3に,飲酒運転者と接する機会が比較的多いと思われる運転代行業者やコンビニエンスストアに,飲酒運転の疑いがある者を発見した際に,警察への通報を求めているところでございます。  第4に,各公務所や民間事業者に,運転免許を取り消された職員による無免許運転や飲酒運転の防止に協力を求めているところでございます。本年1月5日,無免許運転と酒気帯び運転で現行犯逮捕された県内の地方公共団体の職員は,昨年10月下旬に酒気帯び運転で検挙され,12月上旬に運転免許を2年間取り消されながら,職場に申告せず,無免許運転を続けておりました。飲酒運転検挙時に本人が公務員またはみなし公務員と警察に申告した者は,本年5月末時点で14名で,昨年,一昨年を上回るペースで公務員が飲酒運転で検挙されております。県警では,免許を取り消された者が無免許運転を続けることを防ぐため,各公務所に,職員の運転免許証の現物を定期的に目視確認するよう求めるとともに,民間事業者にも働きかけてまいります。  第5に,市町村別運転免許保有人口に占める飲酒運転で検挙された違反者の割合を公表し,注意喚起を図っているところでございます。  ちなみに,本年5月末時点で,県内で割合が最も高かった自治体は八千代町,以下,美浦村,潮来市の順でございました。  県警では,以上の対策により,飲酒運転による死亡事故件数・死者数全国最多の返上,飲酒運転の根絶を目指してまいります。          ────────────────────────────── 34 ◯森田悦男副議長 暫時休憩をいたします。  なお,会議再開は,午後3時45分を予定いたします。                     午後3時23分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後3時46分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 35 ◯藤島正孝議長 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  なお,傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので,御留意願います。  江尻加那議員。                  〔9番江尻加那議員登壇,拍手〕 36 ◯9番江尻加那議員 日本共産党の江尻加那です。  6月6日,原子力機構大洗研究開発センターで起きた事故で被曝した作業員の方々に対し,健康被害が最小限におさまるようお見舞いを申し上げます。  私たち共産党県議団は,先週8日に現地調査を行い,副所長に事故の徹底検証と核燃料の厳正管理を申し入れました。  核関連施設が集中する本県では,過去,動燃再処理工場が最悪の火災爆発事故を起こし,JCOでは日本史上初の臨界事故,そして,今回,プルトニウム飛散による内部被曝事故です。  同様に原発立地県の新潟県・米山隆一知事が原子力に向き合うきっかけとなったのはまさに本県でのJCO事故でした。医師である米山さんは,事故当日,放射線医学総合研究所の当直医でした。全身に放射線を浴び,手の施しようがない現場を目の当たりにして,二度と犠牲者をつくってはならないと心に刻んだそうです。  知事となった米山さんは,原発は大きな話だが,県民の願いは小さくてささやかなものだ。家族の安全や子どもの命,健康を守りたい。そのささやかな願いに答えられない政治じゃだめだと訴えています。他県の事故に学んで新潟県民の安全を考えています。  それに比べ,重大事故が立て続けに起きた施設を有する本県知事が,原発のことは国が決めるのを待っている。この違いは何でしょうか。東海第二原発の再稼働問題はいよいよ重大な局面です。この間,知事は,原発について,県民に不安の声があることは十分承知していると答弁しました。ならば,日本原電の社長が,20年運転延長を申請したいと表明した際に,再稼働それ自体をやめてもらいたいと言うべきではなかったでしょうか。  一方,さきの第1回定例会予算特別委員会での私の廃炉の決断をという質問に対し,橋本知事は,こちらからあえて廃炉を言う必要もないと答えました。その理由は,県のほうから廃炉を言った場合と,国の都合で廃炉にした場合とでは,その後の地域をどうするか大きく異なるからだと言いました。県民の命と安全を引きかえに国からの見返りを求めるということなのか。原発はそんな問題ではない。別の次元の命の問題です。  私は,先月,日本原電東海事業本部にヒアリング調査を行いました。原電の説明で明らかになったのは,第1に,原子炉が沸騰水型の東海第二原発は,加圧水型と違ってフィルタつきベント装置が完成しなければ再稼働できない。その理由は,格納容器の容積が小さいために爆発のリスクが高いということ,第2に,予測する津波の高さ17.2メートルよりはるかに低い場所に海抜8メートルに原子炉が立地しているため,防潮堤が完成しなければ再稼働できないこと,第3に,溶けた核燃料が格納容器を突き抜けて水蒸気爆発するのを防ぐための装置,いわゆるコアキャッチャーが装備されていないこと,第4に,建設開始から見ると,40年以上使ってきた燃えやすい電気ケーブルの劣化に対し,最新の知見に基づく健全性評価がなされていないこと,第5に,現在,東海第二で保管している核燃料は3,117体に上り,そのうち2,202体はいまだプールの中で冷やし続けており,青森県六ケ所村やむつ市の工場に搬出するめどが全く立っていないことなどです。  県は,こうした東海第二原発特有の危険性をどう評価・検証しているのか。知事が設置する原子力安全対策委員会は年二,三回の開催,原子力審議会に至っては,福島原発事故直後,1度開いたきりで,その後の6年間,何も審議されていません。  安倍政権は,規制委員会の合格をもって次々と再稼働する電力会社を後押ししても,核のごみ処分は決められないという無責任さです。  そこで,知事に伺います。  第1に,東海第二原発を20年運転延長させる危険性をどのように認識しているのか。第2に,広域避難計画の実効性や被曝の被害の想定,県民生活や地域産業への影響をどう検証するのか。第3に,ふえ続ける使用済核燃料への対応と国が固執する破綻済みの核燃料サイクル政策について,知事の所見を伺います。  次に,本県の水利権と水行政について伺います。  知事の国任せ,企業優遇の姿勢は水行政にもあらわれています。霞ヶ浦導水事業への莫大な事業費負担を県民に押しつけ,これに参画しなければ水利権を与えない。この国の基準について,私は,知事,関係課に説明を求めてきました。  知事は,昨年3月の私の本会議質問に,渇水基準については後ほど届けたいと答えましたが,その後,担当課長は,委員会で,県として把握していなかった。国からも説明がないと答えたのです。これが行政かと耳を疑いました。いかに水源開発ありきの行政であるかわかります。  そこで私は,先月,直接,国土交通省常陸河川国道事務所に行って,本県区間の水利権について聞き取り調査を行いました。驚いたことに,久慈川では幾つもの水利権が放棄,縮小されており,大量の水利権が余っていることがわかりました。その代表的なものは,東海村にある原子力機構科学研究所と,同機構核燃料サイクル研究所,そして日本原電株式会社,この3つの事業所が合わせて日量約3万3,000トンの水利権を放棄して,かわりに,今,県央広域工業用水から受水に切りかえています。  県との契約水量は合わせて1万4,060トンと,水利権のときの半分以下に縮小しています。ただで水を取れるときは大量の水利権をもらい,料金を払うとなると,過剰分は要らないと契約を半分にするという企業の論理です。ただでというのは,河川の水利権者に対し,県は,茨城県河川流水占用料等徴収条例で料金を徴収できるのに,わざわざ減免規定で,原子力機構は国に準ずる法人として全額免除としています。それだけではなく,一企業である日本原電株式会社に対しては,減免規定もないのに,水利権放棄までの数十年間,1円も徴収していません。  一方,那珂川では,原子力機構の大洗研究開発センター,今回,被曝事故を起こした研究所ですが,ここは現在も那珂川から水を引いています。その水利権は日量約5万2,000トン,東海村3事業所合わせた量の3倍以上で,明らかに過大な水利権を国は与えています。  そして,大洗研究開発センターの取水の実態を県は把握しているのでしょうか。県の統計年鑑の工業用水利用状況を見ると全く記載がありません。日量5万2,000トンといえば,暫定水利権とされている本県中央広域水道の平均取水量を超える大変な量です。水戸市など10市町村1企業団に送る水より,1事業社に与えられた水利権量が大きいことに県は何の疑問も持たないのか。大洗研究開発センターが持つ那珂川の水利権を県中央広域水道に振りかえれば,霞ヶ浦導水事業の暫定水利権は必要なくなります。  国言いなり,企業優遇ではなく,私は,住民に安くて安全な水を提供する県の水行政に転換していただきたい。知事の所見を伺います。  次に,廃棄物行政について,生活環境部長に伺います。  ここにも原発事故の影響があらわれています。再生利用できていた汚泥などが放射能で汚染されてリサイクルできず,指定廃棄物となり,本県の産廃の再生利用率は60%にまで低下しています。また,県民1日1人当たりのごみ排出量は,県みずから掲げた削減目標を達成できず,全国平均を上回って,8番目に多い排出量です。プラスチック製の容器包装を分別する市町村の割合も,全国平均8割に比べて,本県はいまだ6割台です。  県は,国の方針のもと,1998年にごみ処理広域化計画を策定しました。しかし,そこには減量化の目標もなければ,再資源化率を高めるという数値目標もありません。広域化で処理区域を拡大して,施設の集約と大規模化を進めたのです。  この計画を県は10年間で終了させましたが,今も県計画を根拠とした石岡市・かすみがうら市・小美玉市・茨城町の4市町広域整備や,潮来・行方・鉾田の3市協議を進めています。県の広域化計画を終了したことをはっきり明確にして,ごみの減量と再資源化にこそ全力で取り組むべきです。  そこで,3点伺います。  一つは,ごみ排出量の削減目標を達成できなかった要因をどう検証しているのか。2つ目には,プラスチック製容器包装の分別収集をどう市町村に拡大していくのか。3つ目に,広域化ではなくて,市町村の実態に沿った処理を進めていくことについて。  以上3点,生活環境部長の所見を伺います。  循環型社会の形成において,民間が再資源化事業として果たしている役割は重要です。しかし,残念ながら,適正な管理がされずに,周辺環境に悪影響を及ぼしている施設があります。その一つが,水戸市にある,障害者が入所する県立あすなろの郷のすぐ隣にある堆肥化施設です。周辺住民からは,長年,ひどい悪臭とおびただしい数のカラスやトンビへの苦情が再三行政に寄せられています。  県は,過去6年で23回もの立入検査を行い,改善指導してきたとのこと。しかし,私は,施設の立地そのものが疑問です。県は,みずから「廃棄物処理施設の取り扱いについて」という基準を定め,廃棄物施設の立地は,周辺に住宅や学校や病院などがないこととしています。なぜ障害者の施設はこれに当てはまらないのか。さらに言えば,あすなろの郷には,利用者の方々の医療や健康管理を行う病院,あすなろの郷病院があることを県も御承知のはずです。取り扱い基準にそもそも反するのではないか。  あすなろの郷の発行した昨年の「寮だより」にはこう書いてありました。「悪臭などの被害を,社会の弱者である利用者に負わせるのが大きな問題だと思うのです」と書かれています。  長期間,行政指導を繰り返し,結果として営業の継続を認めている県行政への不信を招いてしまっていると思います。改めて厳正な対応を求めて,生活環境部長の所見を伺います。  次に,保健福祉行政について,知事に質問いたします。  ことし4月,水戸市の保育所待機児童は113人,つくば市は114人,合わせて227人,そのうちゼロから2歳児が9割を占めるとの報告です。安倍政権は待機児童ゼロを3年先送りしました。少子化だと騒ぎながら保育所にさえ入れない。何が女性活躍かと,多くの母親の声だと思います。  そして,本県の待機児童ゼロの目標は2年後の2019年度です。そのために,県は,保育所の定員を6万3,760人にまでふやす計画ですが,そのうちゼロ歳から2歳児の定員はと聞きますと,2万5,504人としています。しかし,これは単に市町村から上がってきた目標を足し上げただけで,県として需要の予測を行っていません。  本県で1年間に生まれる赤ちゃんは約2万人,ゼロ歳から2歳児で約6万人います。そして,今,女性の7割が働き,その7割が出産後も働き続けている統計データから見れば,私は少なくとも子どもの数の半分の保育定員が必要だと考えます。6万人いれば,3万人分,現在の県の2万5,000人目標ではとても待機児童は解消できません。  そして,ゼロ歳から2歳児といえば,育児休暇明けで,年度途中からの入所が必要となります。これに対応するために,埼玉県や長野県など9県では,年度途中の乳児の受け入れを保障するため,あらかじめ年度当初から保育士を配置する保育園への経費を県として補助しているのです。  ゼロ歳から2歳児の保育定員のしっかりとした需要予測に基づく拡大と,年度途中の入所を保障する県の支援策を求め,知事の所見を伺います。  次に,国民健康保険についてです。  来年度から都道府県が国保の保険者となり,市町村の国保行政を統括・監督する仕組みが導入されます。国は,国保加入世帯の貧困化が深刻になった後も国庫補助をふやしていません。高過ぎる保険税,無慈悲な保険証の取り上げ,過酷な滞納処分を進め,子育て世帯にとっても,子どもが多ければ多いほど国保税が高くなる仕組み,こうした矛盾は都道府県化でさらに拡大し,県民を苦しめます。  日本共産党は,国保の都道府県化に反対してきました。そして,先月,私は,県が開いた国保制度移行準備委員会を傍聴して,さらに危機感を強めました。県の委員会資料には市町村の状況が示されています。例えば,水戸市の国保に加入する世帯の平均年所得は67万円,これに対して国保税は平均8万8,000円,実に所得の13%もの税負担で,子どもが1人ふえると,水戸市の場合,3万円ずつ高くなっていきます。  ところが,県が示す国民健康保険運営方針骨子案では,安定的な財政運営への取り組みとして,3点掲げられています。1,収納対策の強化,2,医療費の適正化,3,赤字市町村の国保料率の引き上げです。これをそのまま実行すればさらなる値上げは確実です。  そして,本県1人当たりの国保の医療費は常に全国下から2番目という低さ,これ以上どう抑制するのか。そうではなく,医療費体制の拡充と国保税の負担軽減こそ県民の願いです。県の国保運営方針骨子案,まずは撤回を求めます。  日本共産党は,繰り返し,市町村国保への県の補助復活を求めてきましたが,今度は県に国保の特別会計がつくられます。  そこで提案いたします。子どもが多いほど高くなる国保税を,子育て支援という観点からも,県独自に軽減することです。具体的には,18歳以下の被保険者の国保税均等割を免除すること。例えば,水戸市なら,6,600人,均等割3万円の免除です。知事は,同様の軽減措置を国に対して要望していますが,本県で実施した場合,全体の対象人数と必要額はどれくらいと見込んでいるのか,お示しください。  最後に,教育行政についてです。  まず,スクールバスの保護者負担無料化を求めて知事に伺います。  スクールバスの料金は受益者負担だという声が教育委員会から聞こえてきます。バスに乗る子どもは受益者でしょうか。知事就任24年間で,小中学校合わせて102の学校が地域からなくなりました。県が学校の適正規模を示して統廃合を進めてきた結果です。歩いて通える場所に学校がない。それは地域の方々に見守られながら,毎日頑張って歩いて通う機会を子どもから奪ったことにもなります。  現在,35市町村でスクールバスが運行され,うち11市町でバス代が有料です。月1人1,000円から3,000円。県は,学校統廃合の指針は出すのに,スクールバスの料金は市町村任せです。無料化のために,県補助の拡大を求めて,知事の所見を伺います。  次に,少人数教育の拡充と教員確保について,教育長に伺います。  今年度から中学2年生,来年度は中学3年生まで,さらに,知事は,高校までできないか,県教委と検討していくと,ことし4月の市町村長・市町村議会議長会議で意向を示しました。この知事の発言について,教育長の所見を,まず,伺います。  高校統廃合ではなく,まず,子どもの少ない地域から県立高校でも少人数学級を進めることです。拡充には当然,教員の確保が必要です。  知事は,24年間で約4,000人もの正職教員を減らしながら,教員不足を常勤講師で補ってきました。ところが,その常勤講師さえ欠員のまま今年度をスタートさせた学校が県内37校,39人もいました。ひたちなか市では5人,かすみがうら市で4人などです。  教員確保は県教委の責任ですが,実際には,市町村教育委員会と学校が講師探しに追われています。現在までに講師の欠員は全て補充されたのか。あわせて,教員の確保策について,教育長に伺います。  最後に,教員の勤務時間の実態把握と改善についてです。  文部科学省が10年ぶりに実施した教員勤務実態調査によって,教育現場における長時間労働のすさまじい実態が浮き彫りになりました。前回調査より勤務時間はふえて,小学校も中学校も1日11時間以上,教員は働いています。過労死ライン月80時間以上に相当する時間外勤務が中学校では6割,小学校で3割と,大きなニュースになりました。  教員には時間外の勤務手当がなく,かわりに給料4%分の調整額が上乗せされます。しかし,今,公務命令による報告書類の作成や職員会議,部活動の指導などの時間は4%分ではすまないほど常態化しています。余りに忙しくて家のことは後回し,自分の子どもには申しわけないと思いながら頑張っているが,時に,余りの忙しさにやめたくなることがあると悩む教員は少なくありません。  長時間労働の解消は,子どもに寄り添い,学ぶ権利を保障する教育条件の整備にとって重大な,重要な課題です。何より教員の心身の健康を守り,教員自身の家庭生活や子育てを保障する喫緊の課題と考えます。  そこで,教育長に,2点,伺います。  第1に,本県小中学校教員の勤務時間について,まず,県が責任を持って実態把握を行うことです。県内の約1割の小中学校にタイムカードが設置されていますが,実態把握のために適切な活用を求めます。  第2に,実態を把握したら必ず改善に結びつけることです。これまで進めてきた業務改善が抜本的な解決策となっていないことから見れば,教員の数をふやすこと,そして,1週間の受け持ち時間を減らしたり,時間外勤務の上限目標を掲げるなど,改善が実感できる取り組みの推進について,教育長の所見を伺います。  以上で,質問を終わります。  答弁によりまして,再質問させていただきます。(拍手) 37 ◯藤島正孝議長 江尻加那議員の質問,質疑に対する答弁を求めます。  橋本知事。                     〔橋本昌知事登壇〕 38 ◯橋本昌知事 江尻加那議員の御質問にお答えいたします。  初めに,東海第二原発の再稼働と運転延長についてお尋ねをいただきました。  まず,東海第二発電所の安全性の検証についてでございます。  国の原子力規制委員会における新規制基準への適合性審査につきましては,各発電所ごとに,審査に当たって特に着目すべき主要な論点を抽出し,発電所の特徴を踏まえた審査がなされているところであります。  東海第二発電所につきましては,国から,地震・津波関係やプラント関係に関する主要な論点28項目が示されており,特に,東海第二発電所固有の論点として,敷地に遡上する津波に対する防護対策,重大事故等が発生した場合に用いる可搬型設備の保管方針,原子炉格納容器の型式を踏まえた安全対策並びに非難燃ケーブルの防火対策について,慎重な審査がなされているところと聞いております。  県といたしましては,茨城県原子力安全対策委員会のもとに,東海第二発電所安全性検討ワーキングチームを設置し,国の審査と並行して東海第二発電所の安全性について御審議をいただいているところでありますけれども,国の審査における論点に加えて,運転開始から38年を経過した東海第二発電所の高経年化対策や,福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた平時からの安全管理体制の強化の状況なども重要な論点と考えており,高経年化対策やヒューマンエラーの専門家にも御参画をいただき,県独自の視点から慎重な御審議をいただいているところであります。  次に,避難計画の実効性の検証についてであります。  避難計画につきましては,県が策定した広域避難計画を踏まえ,現在,30キロメートル圏内の14市町村において策定が進められております。今後,計画内容の具体化に向け,県も参画している国の東海第二地域原子力防災協議会において,市町村とともに,避難時に必要となる車両の確保や,予定していた避難先施設が使用できない場合の対応策の検討などに取り組んでまいります。
     さらに,策定した計画の実効性を検証し,計画内容を見直していくことは大変重要であると考えております。そして,そのためには,避難訓練の実施とその評価が必要であることから,各市町村の計画が策定された段階で,市町村を含め,関係機関と連携しながら,避難訓練ができるように検討してまいります。  次に,県民生活・地域経済への影響の検証についてでございます。  原子力発電所の再稼働につきましては,電力の安定供給といったエネルギー政策上の必要性や,地球温暖化といった環境問題への対応などの全国的な視点を基本に据えた上で,施設の安全性が確保されていることを大前提に,当該地域における防災体制の整備状況などを考慮し,まずは,国において総合的に判断し,個々の原子力発電所について方針を決定していくべきであります。  再稼働した場合と廃炉にした場合の県民生活や地域経済への影響につきましては,例えば,事故が発生した場合,周辺に被害が生じるのかどうか,仮に生じた場合に,被害の程度や被害が及ぶ範囲をどのようにするのかなど,仮定の置き方によって影響の評価が大きく異なってまいります。  また,温室効果ガスの削減効果,エネルギーコストが経済活動や家計に与える影響など,全国的見地から判断しなければならない課題も多くございます。  このようなことから,現段階で,県独自で検証を行っていくということについては考えておりません。  次に,東海第二発電所の使用済燃料対策についてでございます。  東海第二発電所には,現在,使用済燃料プール及び乾式貯蔵施設に合計2,165体の使用済燃料が貯蔵されておりますが,現在のところ,乾式貯蔵キャスクに122体分の余裕があり,今後,さらに427体分のキャスクの増設が計画されているところでございます。  さらに,今後は,発電所敷地内に加え,青森県むつ市に建設中の乾式貯蔵施設において貯蔵する計画となっておりますことから,当面の使用済燃料の貯蔵能力は確保されていると承知しております。  再稼働に伴い発生する使用済燃料に係る対策については,東海第二発電所等の今後の取り扱いがいまだ明らかになっておりませんし,日本原電から具体的な説明も受けておりませんが,原子力発電所の使用済燃料の貯蔵対策は全国的にも喫緊の課題となっておりますことから,原子力発電所の立地道県で構成する原子力発電関係団体協議会とも連携し,その早期解決に向け,国や事業者の取り組みの促進を継続的に働きかけているところであります。  また,核燃料サイクルを含む国のエネルギー政策のあり方につきましては,エネルギーの安定供給や環境問題への対応といった長期的な視点を踏まえつつ,安全の確保と国民の十分な理解を大前提に,国の責任においてしっかりとした方向性を示していくことが重要と考えております。  核燃料サイクル政策につきましては,国のエネルギー基本計画において,資源の有効利用や高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から,引き続き,再処理やプルサーマル等を推進するとされているところでありますが,現在,国において,高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉方針の決定に伴う高速炉開発方針の見直しが進められておりますほか,次期エネルギー基本計画の策定に向けた議論が開始される見通しとなっておりますので,県といたしましては,そうした国の動向をしっかりと注視していくことが必要であると考えております。  次に,本県の水利権と水行政についてお答えいたします。  議員御指摘の具体的な数字につきましては伺っておりませんでしたので,同じレベルでの答弁はしかねますが,しかし,全体として,現在,那珂川や久慈川における水利権の放棄や減量につきましては事例がないわけではございません。  ただ,過去10年間程度で見てみますと,那珂川で毎秒約0.08トン,久慈川で毎秒約0.3トンと,その量はわずかでございまして,本県の企業局が必要とする暫定水利権量の毎秒約0.8トンの水量を満たすほどの量ではないと認識しております。  実際に,田植えの時期には,塩水遡上による農業用水や水道用水の取水障害が発生するなど,毎年のように渇水被害が生じており,決して安定して取水ができている状況にはございません。  また,那珂川や久慈川の水利権の許可権者である国からも,たとえ水利権の放棄や減量があったとしても,新たな安定水利権を許可する余裕はないと聞いているところであります。  このため,企業局では,霞ヶ浦導水事業の完成を前提に暫定水利権を取得し,県央地域において水道用水として10市町村の約70万人に,工業用水として,日立製作所や常陸那珂火力発電所など23事業所への給水を行っているところであります。  現状におきましては,新たな水資源開発事業への参画により,将来の安定水利権の取得に向け,必要な水量を確保し,安定的な水供給を行っていく必要があると考えております。  次に,保健福祉行政についてお答えいたします。  まず,ゼロから2歳児保育所待機児童の解消に向けた取り組みについてでございます。  本県では,子ども・子育て支援事業支援計画において,地域の人口構造や産業構造等の地域特性,教育,保育の利用希望等を踏まえ,市町村において推計した保育の量の見込みをもとに,策定年度である平成27年度から平成31年度までの5年間で新たに約1万2,000人分の保育の量を確保し,待機児童数をゼロとする目標を掲げております。  これまでに,安心こども基金等を活用した集中的な保育所や認定こども園の整備,さらには,3歳未満児を主な対象とする小規模保育や家庭的保育等の地域型保育事業の実施について市町村に働きかけるなど,多様な保育サービスの提供,保育の受け皿拡大を図り,保育の提供体制の整備を進めてきたところでございます。  他方,核家族化の進展や地域のつながりの希薄化,また,女性の就業率の上昇などにより,保育需要は増加してきており,特に,3歳未満児においては,現在の計画上の供給量では不足することが見込まれております。  こうしたことを踏まえ,計画期間の中間年に当たる今年度におきまして,市町村子ども・子育て支援事業計画における計画と実績との乖離の精査や,保育の需要量と確保策の見直しを行う中で,今後の3歳未満児の保育需要を的確に把握してまいりたいと考えております。  また,年度途中の入所につきましては,例年,4月以降も育休明け等による保育の申し込みが行われますが,施設整備や定員の見直しによる保育の受け入れ枠拡大はその多くが4月に行われますことから,年度の後半になるにつれて入所が困難となる傾向にございます。  他県においては,年度途中の入所促進のため,年度当初から保育士を余分に配置するための雇用経費の補助などを行っている例もございますが,受け入れ枠をふやすには,入所者数に応じた面積と保育士配置数の両方の基準を満たしておく必要がございます。  しかしながら,本県においては,保育士の確保自体が大変困難な地域も多く,他県と同様の事業を実施していくためには,その実施可能性や有効性について十分に検証を行っていく必要があると考えております。  そのため,今後,事業者との協議などを行い,本県における年度途中からの入所の促進について,有効な施策を検討してまいりたいと考えております。  なお,県におきましては,今年度,新たに福祉人材確保室を設置したところでありますので,こういった場所におきましても,保育士を含めた福祉人材の確保を図ってまいりたいと考えております。  次に,都道府県化される国民健康保険の問題点についてお答えいたします。  国保運営方針における市町村の赤字の解消・削減の取り組みについてでございます。  今般の国保制度改革では,県が市町村とともに国保運営を担うことになるため,県内統一的な方針である国保運営方針を定めることで,安定的な財政運営や効率的な事業の確保を図ることとしております。  国保の安定的な財政運営のためには,年度ごとに国保会計の収支が均衡していることが重要であり,支出に見合った保険料水準とすることが必要であります。  そのため,本県の国保運営方針案には,保険者の保険料負担が急激に変化することのないよう配慮しつつ,計画的・段階的な保険料率の見直しを行うことを盛り込んでいるところです。  また,被保険者間の公平性を確保するため,収納対策の強化に取り組むこと,さらには,医療費が過度に増大しないようにしていくため,医療費の適正化に取り組むことなどを規定しているところであります。  県が設置した外部有識者会議であります国保制度移行準備委員会の審議におきましても,赤字解消に向けた取り組みや,公平性の担保が重要であるとの御意見をいただいているところでございまして,安定的な財政運営に資する取り組みを国保運営方針に盛り込んでまいりたいと考えております。  次に,18歳以下の被保険者の均等割保険税の免除についてでございます。  県内で18歳以下の被保険者は約8万人おり,この均等割保険税を免除する場合,約21億円の財源が必要となってまいります。  また,均等割保険税の免除に係る県における繰り入れの実施についてでありますが,国保はあくまで保険制度でありますから,本来,保険税と法定の公費をもって運営されるべきものと考えております。そのため,保険税の免除を行うために,県が一般財源を投入するのではなく,国においてさらなる財政基盤の強化を含む制度設計を考えていくべきであると考えております。  国民皆保険を支える国保が,将来にわたり持続可能な制度となるよう,引き続き,全国知事会と連携しながら,国に働きかけてまいります。  今般の国保制度改革は,県と市町村の共同運営に移行する大変大きな改革であります。このため,新制度への移行に当たりましては,県民の理解をいただきながら,着実に準備を進め,新制度において安定的な財政運営が確保できるよう努めてまいります。  次に,教育行政についてお答えいたします。  スクールバス保護者負担の無料化についてお尋ねをいただきました。  市町村におきましては,学校統合による遠距離通学者への対応や,児童生徒の通学の安心・安全を考慮し,スクールバスの運行がふえており,御指摘のように,平成28年度には35市町村で運行され,そのうち11の市町で保護者への負担を求めているところであります。  一方,市町村立小中学校のスクールバス運行に要する経費につきましては,国から市町村に対して地方交付税の措置がなされております。具体的には,乗車定員11人以上のスクールバスについては,運行1台当たり約600万円の普通交付税が措置され,乗車定員10人以下のスクールバスにつきましても特別交付税の措置がなされているところであります。  また,学校の統合に起因するスクールバスの運行につきましては,国の補助制度によって,市町村が負担した運行経費の2分の1を上限に補助されております。  さらに,本県独自の取り組みとしましては,平成21年度から新しい学校づくり支援事業を実施しており,統合校のスクールバス運行経費等に対し,市町村負担分から国庫補助額及び交付税算入額を控除した額の3分の2または2分の1を補助し,市町村,ひいては保護者の負担軽減を図っているところであります。  これらの財政支援措置により,保護者負担が生じている11市町のうち9市町においては,市町村の実質的な地方負担は生じていない状況にございます。  一方で,市町村の実質負担があるにもかかわらず,保護者負担を求めていない市町村が8市町あるなど,市町村により対応が異なっております。  保護者負担を求めている市町村については,財政的事情のほか,受益者負担の観点や,スクールバスを利用しない児童生徒との均衡を考慮していることなどが主な理由となっております。  保護者に負担を求めるかどうかにつきましては,最終的にはスクールバスを運行する市町村において判断すべきことでございますが,県といたしましては,市町村が国や県の財政支援制度の趣旨や財源措置の実態などを十分理解した上で判断されるよう助言してまいりたいと思います。 39 ◯藤島正孝議長 次に,近藤生活環境部長。                   〔近藤生活環境部長登壇〕 40 ◯近藤生活環境部長 廃棄物行政についてお答えいたします。  初めに,ごみの減量化・資源化の推進と広域化の現状についてでございます。  まず,ごみの減量化についてでございます。  第3次茨城県廃棄物処理計画におきましては,1人1日当たりの排出量,再生利用率,最終処分量の3項目について計画目標を定めております。平成27年度における再生利用率及び最終処分量はおおむね目標を達成いたしましたが,排出量は横ばいの状態であり,目標を達成できませんでした。これは,家庭系ごみに多く含まれる生ごみの水分の減量化が進んでいないこと,また,家庭系ごみの約3割を占める紙類の減量化が進まなかったことなどが原因であると考えております。  このため,生ごみについては,水切りの浸透を図ってまいりますとともに,紙類の減量化を図るため,簡易包装の呼びかけなどを行ってまいりますほか,食品ロスにつながる食品の買い過ぎやつくり過ぎの防止などを呼びかけてまいります。  なお,第3次計画の取り組み実績につきましては,今年度,平成27年度を含む全てのデータがそろいましたことから,年度内に分析評価を行い,必要に応じて現行計画に反映させることを検討しております。  次に,プラスチック製容器包装の分別収集の推進についてでございます。  プラスチック製容器包装の分別収集の推進には,市町村におけるきめ細やかな分別収集が有効であります。  県では,平成23年に,「一般廃棄物分別収集区分に関する指針」を策定し,市町村に対し,分別区分の拡大と徹底を助言してきているところでございます。  今後とも,プラスチック製容器包装分別が未実施の市町村を訪問し,取り組み事例の提供や分別収集のメリットを説明し,区分の拡大を図ってまいります。  また,分別の促進には,消費者の理解と協力が不可欠であることから,環境に優しい買い物運動を推進するとともに,学校などにおける環境学習の支援や出版物の配布など,意識啓発,知識の普及に努めてまいります。  次に,ごみ処理の広域化の現状でございます。  平成9年に広域化を促進するための国の通知を受け,県は,平成10年4月に計画期間を10年とするごみ処理広域化計画を策定いたしました。当時の計画は,ごみ処理の効率化やダイオキシンの発生防止を図るために,最終的に県内を10ブロックにするというものでございました。  しかし,平成10年代の後半から市町村合併が本格的に進み,当初の広域化の枠組みの姿が大きく変わってまいりました。また,ダイオキシンの発生は,技術革新により,大規模施設でなくても抑制できるようになってまいりました。  県といたしましては,焼却施設の運転の効率性・経済性等から,広域化を進めている市町村に対しまして,地域の実情に合わせ,施設整備に係る国の交付金の活用などが円滑に行われるよう,個別に助言しているところでございます。  今後とも,市町村の意向を十分尊重しながら,広域化を支援してまいります。  次に,廃棄物処理施設の適正管理についてお答えいたします。  まず,廃棄物処理施設の設置についてでございます。  廃棄物処理施設の設置に当たりましては,事前審査において,廃棄物処理法はもとより,都市計画法や鳥獣保護管理法等の関係法令等に基づき,施設の構造や維持管理計画,施設周辺の生活環境の保全,土地利用計画との整合性などについて審査を実施し,それらの適合状況を確認の上,許可を行っているところでございます。  次に,廃棄物処理施設への行政指導等についてでございます。  県では,廃棄物処理施設の適正管理を図るため,廃棄物処理法に基づき,全ての施設に対し,定期的に立入検査を実施しております。  この立入検査において,施設の構造や維持管理等に問題が生じていないかを確認し,廃棄物の保管方法などに問題が認められた場合には,直ちにその改善を指示するなど,必要な指導を行っております。  また,このような指導によっても十分な改善が図られない場合には,事業者みずからに改善計画を作成させ,その進捗状況を立入検査により継続的に確認し,改善の促進を図るなど,個別・重点的な指導を行っているところでございます。  県といたしましては,今後とも,生活環境の保全を図るため,地元市町村とも連携し,廃棄物処理施設への立入検査等を通じて,法令等が定める基準の遵守を厳しく指導することにより,施設の適正管理を図ってまいります。 41 ◯藤島正孝議長 次に,小野寺教育長。                    〔小野寺教育長登壇〕 42 ◯小野寺教育長 少人数教育の拡充についてお答えいたします。  まず,高等学校への少人数教育の拡充に係る知事の発言についての所感についてでございます。  高校教育におきましては,現在進められております高大接続改革や,平成34年度に全面実施となる新学習指導要領に適切に対応するため,生徒の思考力,判断力,表現力などの育成が大変大きな課題となっており,今後,学校においては,よりきめ細かな指導が求められております。  高等学校への少人数教育の拡充はまさにそうした流れに沿うものであり,大変意義あることと考えております。  今後は,具体的にどのような形で高校に少人数教育を導入していくか,あるいは財政面での課題をどうするかといったことについて研究を進めながら,その実現に向けて積極的に取り組んでまいります。  次に,教員の確保についてでございます。  議員御指摘のとおり,本年5月1日現在では39名が欠員となっておりましたが,現在,そのうち8名が配置されております。  この教員の欠員状況は,例年,7月上旬の教員採用試験終了後から9月の第2学期開始までにはおおむね解消されるのが通例でございます。  今後,この欠員状態が早期に解消されますよう,各教育事務所が連携し,講師志願者の情報共有を進めますとともに,定年退職され,一度現場を離れた教員免許保有者への講師の依頼を行うなどにより,教員の確保を図ってまいります。  また,今後の対策につきましてでございますが,引き続き,定年退職者の再任用の促進を図りますほか,本年度の教員採用試験におきまして,採用枠を大幅に拡充しますとともに,介護や育児などにより,一度離職した方を再採用する新たな制度を設けることなどにより,教員の確保に努めてまいります。  また,県教育委員会と大学との連携講座の開設や,いばらき輝く教師塾,あるいは中高生のための教職セミナーなどの実施を通して,教員の職業としての魅力ややりがいを伝え,今後の志願者の増加につなげてまいります。  いずれにいたしましても,今後とも,教員の確保を図りながら,茨城方式での少人数教育にしっかりと取り組み,一人一人に寄り添った指導を行うことで,学力の向上はもとより,いじめなどの問題行動,不登校などの未然防止や解消に努めてまいります。  次に,教員の勤務時間の実態把握と改善についてお答えいたします。  まず,本県の教員の勤務時間の実態把握につきましては,平素から各教育事務所が行う学校管理訪問などによって個別の学校の状況を把握し,適宜,指導を行っているところでございます。  また,県学校長会におきまして,年2回の調査を実施しておりますので,その結果を参考とさせていただきますとともに,県といたしましても,今後,具体的改善策を検討する過程で,適宜,教員の負担とならないよう配慮しつつ,必要な調査を実施してまいります。  次に,教員の勤務時間の改善を図るための取り組みにつきましては,県では,平成21年に「小中学校教員の業務の軽量化に向けた改善策」を作成し,調査や会議等の縮減による業務の軽量化や効率化に取り組んでまいりましたが,学校現場の現状を見ますと,いまだ十分とは言えず,御指摘のように,抜本的な改善が必要と私も痛感しております。  このため,本年度から新たに国の学校現場における業務改善加速事業を活用し,これまでより一歩踏み込んだ勤務時間の改善などに取り組んでまいります。具体的には,教育関係団体の代表を交えた業務改善促進のための協議会を設置し,県としての業務改善ポリシーを策定いたしますとともに,モデル市町村での実践研究を通して,今後の具体的な改善策や効果測定指標,いわゆるKPIなどについて検討してまいります。  さらに,教員の多忙化の最大の要因であります部活動につきましては,週当たり2日以上の休養日を設定するよう,昨年度末に改めて通知をしたところであり,今後は,顧問教諭にかわり単独で指導や引率が可能な部活動指導員の活用を積極的に進めるなど,運動部活動の適正化を図ってまいります。  いずれにいたしましても,先般の文部科学省の教員勤務実態調査の結果を見ますと,根本的に教員の勤務時間の改善を図るためには,まず何よりも教員の基礎定数の改善による教員の増員が絶対必要であり,先日も,文部科学省に対し,国の来年度予算での対応について強く働きかけてまいりました。  一方で,教職員の時間管理についての意識の改革が必要であると考えております。教員は,日々,子どものことを思い,時に寝食を忘れて仕事に没頭いたしますが,時間外手当が支給されないこともあって,時間管理についての意識が希薄になりがちであります。
     働き方改革という社会全体の流れを受けて,管理職などによる適切な学校マネジメントにより,時間管理の意識を高めていくことが重要であると考えております。  また,御指摘いただきましたタイムカードは極めて有効な手法の一つと考えられます。現在,1割程度の導入にとどまっておりますけれども,今後,普及を図ってまいりたいと考えております。  また,時間外勤務の上限目標を掲げることにつきましても,今後の改善策を検討する中で議論をしてまいりたいと存じます。  今後も,チーム学校といった視点に立って,学校の組織力を強化し,業務改善を図ることで,教員の勤務時間の改善に取り組んでまいります。 43 ◯藤島正孝議長 江尻加那議員。                   〔9番江尻加那議員登壇〕 44 ◯9番江尻加那議員 それぞれ御答弁いただきました。  初めに,廃棄物の処理施設の適正管理についてです。  個別の施設について具体的に答弁できないということなのでしょうけれども,それと県としての厳正な対応ができないということは別です。施設の許可権者である県として,その責任を徹底して,地域と,そして障害者施設を利用される方々に豊かで落ちついた環境を取り戻せるよう,これは強く県の取り組みを求めます。要望といたします。  1点,知事に,東海第二原発の再稼働と運転延長について再度質問をいたします。  東海第二原発は,運転開始40年となる来年11月までに,新規制基準と20年の運転延長,この2つの審査を通過しなければ再稼働できません。その上で,知事として同意が求められます。その時期はいつになるのか。今後,誰が知事になろうとも,2019年,その時期を迎えます。それは,仮に知事が再稼働に同意した場合,まさに2019年茨城国体前に全国に伝わることになります。原発は動かしますが,ぜひ茨城においでくださいと全国の競技者,選手の皆さんや観戦者,観光客,そして,それを迎える県民に言えるのでしょうか。  その翌年には東京オリンピック・パラリンピックも開催が決まっております。首都圏の競技場に最も近い原発が東海第二原発です。  ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○この最も古い沸騰水型原発を運転させると,東京オリンピック・パラリンピックを控えて,政府は世界に示すということなのでしょうか。国体やオリンピックと原発は別問題,関係ないと,今やそうはもう通用しないと思います。  テロ対策が最大の課題だとして,政府は今,国会で共謀罪を強行しようとしているこの政府が,危険な東海第二原発,被災した老朽化原発を再稼働させるのか。知事が再稼働はやめてもらおうと決めれば,事の事態は大きく変わります。  そこで,知事にお伺いしたいことは,24年間,長きにわたって本県の原子力行政を担ってこられ,そして,多くの県民の被曝という犠牲を目の当たりにして,今,原発,原子力というものは知事の心にどう刻まれているのか。任期最後のこの議会でぜひはっきりとお示しいただきたい。  再度の御答弁を求めまして,再質問といたします。 45 ◯藤島正孝議長 江尻加那議員の再質問に対する答弁を求めます。  橋本知事。                     〔橋本昌知事登壇〕 46 ◯橋本昌知事 江尻加那議員の再質問にお答えいたします。  24年間勤めておりまして,最初のころは原発は安全だという意識が大変強かったように思います。事故は起きないものという前提で,皆さん方も含めて,国民全体が考えておったのではないかなと思います。  しかし,その後にいろいろな事故が起きまして,今や原発に事故は起きる可能性があるものである。それを前提にした上で対応しなければいけないという考え方が広がってきているのではないかなと思いますし,私もそう思っております。  そして,そのためにも,まずは原子力規制委員会その他で徹底した安全の確保というものを行っていくことが必要なのだろうと思っております。それはあらゆる角度からやっていかなければいけませんし,延長ということだけではなくて,もう最初からしっかりとした安全の点検というものは必要だろうと思っております。  それとあわせて,地元住民の理解ということを得ていくことがますます重要になってきているのかなと思っております。  そういう中で,これから再稼働,あるいは延長というものについて,国がまだやるとも言っておりませんので,その辺も含めて,その対応を見ながら,県としての態度というものを決めていかなければいけないのだろうと考えております。  以上です。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 47 ◯藤島正孝議長 以上で,本日の日程は全て終了いたしました。  次回は,明6月13日午後1時から本会議を開き,一般質問,質疑を続行いたします。  本日は,これにて散会いたします。                     午後4時48分散会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...